2026年4月から企業型確定拠出年金(企業型DC)のルールが新しくなる。注目は、会社が出す掛金に自分で掛金を上乗せできる「マッチング拠出」の使い勝手が良くなること。この流れから、マッチング拠出のほか、同様の掛金上乗せ手段の一つである選択制DCの普及に注目が集まっている。NPO法人DC・iDeCo協会が実施した最新調査によると回答事業主の63.3%がこれらの仕組みを採用し、加入者自身が掛金を積み増せる体制を整えていることが明らかになった。

企業型DCに自ら掛金を上乗せ

企業型確定拠出年金(企業型DC)とは、事業主(企業)が掛金を出し、従業員が自分で運用方法を選択して老後資産を形成する制度だ。

企業型DCには、さらに従業員自身が掛金を上乗せすることができるマッチング拠出という仕組みがある。これまでマッチング拠出で加入者が出す掛金額は、企業が出す掛金額を越えられないという上限制約が設けられていたが、2026年4月から撤廃された。企業負担と本人の掛金額の合計が月額5万5000円の範囲内※であれば、これまでより多くの額を拠出できるようになる加入者が増える見込みだ。この改正により、加入者の自助努力による資産形成の選択肢がさらに広がることになる。

※確定給付企業年金(DB)がある企業の場合は、DB等の他制度掛金相当額も含む

なお加入者が自分の判断で任意に上乗せできる仕組みには、マッチング拠出のほかに選択制DCもある。選択制DCとは、従業員が給与の一部をDCの掛金として拠出するか、そのまま給与として受け取るかを自身が選択できる制度。掛金として積み立てる方法を選択すれば、マッチング拠出と同じく老後資産の準備に活用することができる仕組みだ。ただし、そもそもマッチング拠出も選択制DCも全ての企業型DC導入企業で採用しているわけではない点には注意が必要だ。

これらの仕組みの導入率はどのくらいなのか。NPO法人DC・iDeCo協会が実施した「企業型確定拠出年金(DC)担当者の意識調査2025年版(第21回)」を参考にひも解いていこう。同調査は2025年で21回目を迎える歴史ある調査。企業型DCに関連する調査の中では国内最大規模の回答数を誇る。

2025年の調査は6月下旬から8月上旬にかけて実施され、DC実施事業主7382社のうち2029社から回答を得た。回答率は27.5%に達し、このうち有効回答とした1687社の回答に基づいて集計が行われている。調査結果は毎年、厚生労働省等に報告され、DC実施事業主の現状や要望を関係機関と共有するとともに制度改善に向けた提言を行っている。