企業型確定拠出年金(企業型DC)には、従業員自身が掛金を出して積み立てる方法としてマッチング拠出と選択制DCという仕組みがある。最新の調査結果からそれぞれの平均掛金額の違いが明らかになった。中でもマッチング拠出は2026年4月に制度が改正され、注目が集まっている。企業型DCの関連調査で最大規模を誇る「企業型確定拠出年金(DC)担当者の意識調査2025年版(第21回9」(NPO法人DC・iDeCo協会)の結果から実態を見ていこう。

マッチング拠出の現状 ― 月額1万円未満が主流

企業型DCのマッチング拠出とは、企業が拠出する掛金に加えて、加入者である従業員が任意で掛金を上乗せできる仕組み。2026年3月までは、従業員が拠出する掛金は事業主の掛金額を超えられないというルールがあったが、この上限が4月から撤廃された。

同調査によると、加入者の任意で掛金上乗せが可能な仕組みを採用している事業主の約7割がマッチング拠出を採用しているという(2025年調査)。結果、マッチング拠出の加入者掛金の平均拠出月額は1万円未満が約半分を占める状況となっている。

マッチング拠出の加入者掛金の平均月額

マッチング拠出の加入者掛金の平均月額
 
出所:NPO法人DC・iDeCo協会「企業型確定拠出年金(DC)担当者の意識調査 2025年版(第21回)報告書」
 

具体的な拠出額を見ると、最も多いのが「3,000~9,999円」で41.6%、次に「10,000~19,999円」が19.9%となっている。「3,000円未満」も7.3%と、全体の約7割が月額1万円台以下の拠出にとどまっている。

企業規模による違いにも注目したい。従業員50人未満の小規模企業では「3,000円未満」が14.1%と全体平均より高く、「マッチング拠出は採用していない」は16.7%にとどまる。一方、従業員1,000~4,999人の企業では「マッチング拠出は採用していない」割合が30.0%と最も高くなっている。マッチング拠出の事業主掛金上限の規制が撤廃されたことにより、今後は従業員数の多い事業主の制度導入が促されるかどうかにも注目が集まる。

●前編「2026年4月に制約撤廃、企業型確定拠出年金「マッチング拠出」で老後資産をもっと積み増せる時代へ」