投資信託を選ぶ際、各販売会社が自社のサイトで公開している「売れ筋ランキング」を確認する個人投資家は多い。そのランキングを定点観測して、トレンドを追う連載。今回は、浜銀TT証券。
浜銀TT証券の月間売れ筋ランキングの2026年4月のトップ4は前月同様に「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」、「フィデリティ・日本バリューアップ・ファンド」「イノベーション・インサイト世界株式戦略ファンド(予想分配金提示型)」、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」だった。第5位にはトップ10圏外から「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(1年決算型)」が、第6位には「ピクテ日本ナンバーワン・ファンド(毎月決算実績分配型)(愛称:No.1)」がランクインした。また、第10位に「コーポレート・ボンド・インカム(為替ノーヘッジ型)(愛称:泰平航路)」がランクインした。
※浜銀TT証券サイトのファンドランキング「月間売れ筋ファンド」に基づいて編集部作成。評価日:2026年4月30日現在。
https://awc.wealthadvisor.jp/webasp/hamagintt/
多様な投資対象のファンドがランクイン
浜銀TT証券の投信売れ筋(販売件数)トップ10は投資対象や運用方針が異なる多様なファンド群になっている。たとえば、国内株ファンドは、オーソドックスなインデックスファンドである「インデックスファンド225」(設定はアモーヴァ・アセットマネジメント)は順位を落としたものの、バリュー(割安株)投資型の「フィデリティ・日本バリューアップ・ファンド」(フィデリティ投信)は第2位をキープ。そこに新たに、売上シェアでトップなど業界の顔というべき企業に投資する「ピクテ日本ナンバーワン・ファンド(毎月決算実績分配型)(愛称:No.1)」(ピクテ・ジャパン)が加わった。
外国株式ファンドでは第3位に世界各国から成長株を選別投資する「イノベーション・インサイト世界株式戦略ファンド(予想分配金提示型)」(三井住友トラスト・アセットマネジメント)、米国市場の中から成長株に選別投資する「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」(アライアンス・バーンスタイン)がある。そして、世界の公益株に投資してインカム収益を重視する「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(1年決算型)」(ピクテ・ジャパン)、バイオ医薬品に特化して投資する「ピクテ・バイオ医薬品ファンド(毎月決算型)為替ヘッジなしコース」(ピクテ・ジャパン)がある。
このように異なる性格のファンドは、パフォーマンスにも違いがある。たとえば、外国株式ファンドの中では、成長株に投資する「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信」は過去6カ月間(4月末時点)で3%程度のリターンにしかなっていないが、「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド」は14.46%、「ピクテ・バイオ医薬品ファンド」は13.41%のリターンになっている。3年リターンをみると、「イノベーション・インサイト世界株式戦略ファンド」が124.82%、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信」が89.59%に対し、「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド」は65.96%、「ピクテ・バイオ医薬品ファンド」は51.02%となり、成長株ファンドの優位性が見て取れる。市場の環境によって活躍する銘柄群が異なっていることがパフォーマンスを左右しているといえる。
浜銀TT証券の売れ筋ランキングで4月の内容では特にトレンドといえるような動きが見て取れない。むしろ、ほとんど重なることなく、さまざまな分野に投資する商品が幅広に揃えられており、今後の市場人気がどちらに動こうとしているのか見極めようとしているように感じられる。その背景には、イラン紛争が突発的に始まって、その影響のために原油価格が高騰し、各国で進んでいた金融緩和の動きがストップし、反対に金融引き締めに動くような事態に大きく変化したことがある。イラン紛争が終結して原油価格の水準が元に戻れば、再び成長株を軸足においた株式市場の伸長が期待できるが、紛争が長期化して原油価格が一段と上昇するようになれば、金利の一段の上昇が避けられず成長株への逆風は強まることになる。
トップに「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」(ピクテ・ジャパン)が君臨し、第10位に債券ファンドである「コーポレート・ボンド・インカム(為替ノーヘッジ型)」(三井住友DSアセットマネジメント)がランクインした4月の売れ筋ランキングは、先行きが不透明で動くに動けないという市場の迷いを表しているようだ。
執筆/ライター・記者 徳永 浩

