投資信託を選ぶ際、各販売会社が自社のサイトで公開している「売れ筋ランキング」を確認する個人投資家は多い。そのランキングを定点観測して、トレンドを追う連載。今回は、三菱UFJ銀行。

三菱UFJ銀行の販売額(1カ月)ランキング2026年4月のトップは前月第3位だった「MUFGウェルス・インサイト・ファンド(標準型)」が上がった。前月トップだった「eMAXIS 日経225インデックス」は第2位に後退し、前月第5位だった「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(愛称:オルカン)が第3位に上がった。また、前月は第10位だった「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」は第7位に上がるなど、外国株ファンドのランクアップが目立つ。一方、前月第2位だった「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」が第8位に、前月第4位だった「三菱UFJインデックス225オープン」が第9位に下がるなど、国内株インデックスファンドのランクダウンも明確だった。国内株ファンドの中では前月第8位にランクインした「ダイヤセレクト日本株オープン」が第4位にランクアップした。

※三菱UFJ銀行のサイト内の投資信託検索サイト、「ファンドランキングから探す」の「販売額:1カ月」に基づき編集部作成。期間は2026年4月。
https://fs.bk.mufg.jp/webasp/mufg/fund/ranking/hanbaigaku_1m.html

長期投資の「コア」になる「MUFGウェルス・インサイト」

三菱UFJ銀行の販売額(1カ月)ランキングの4月は、3月に大きく順位を上げた国内株インデックスファンドが価格の上昇とは裏腹にランクダウンした。トップに立ったのは、世界の株式や債券、リート、コモディティにバランスよく投資する「MUFGウェルス・インサイト・ファンド(標準型)」だった。三菱UFJアセットマネジメントが設定する「MUFGウェルス・インサイト・ファンド」は、三菱UFJモルガン・スタンレー証券の投資助言を受けて、ファンドの目標リスク水準において最も期待リターンが高くなると想定される各資産の組み合わせを決定している。「標準型」の目標リスク水準は年率標準偏差10.0%程度、「保守型」は同6.0%程度、「積極型」は同14.0%程度だ。

「標準型」の資産構成(2026年3月末時点)は、株式が40.8%(うち米国株式23.5%)、債券が51.5%(うち米国投資適格債券23.6%)、リートが5.5%、現金等が2.3%という比率になっている。4月は日米の株価が大きく上昇したこともあって、基準価額は5.53%上昇した。株式の投資比率が81.1%と高い「積極型」は4月の成績が9.60%上昇となったが、売れ筋ランキングでは第6位にとどまっている。

株価が上昇する中にあって「MUFGウェルス・インサイト・ファンド(標準型)」が人気を高めた背景は、1つには三菱UFJ銀行を通じて投資信託を購入している投資家の間で、中長期投資の「コア資産」として浸透、定着していることがあげられよう。国内株インデックスファンドが株価下落タイミングの3月に人気化し、株価が上昇に転じた4月には人気が離散した背景には、3月に購入したファンドであっても株価のリバウンドで「利益確定」の売却(解約)をしてしまう短期売買の動きがあると考えられる。「MUFGウェルス・インサイト・ファンド」には、株式市場の上下動には影響されない根強い人気が備わっているようだ。

好成績ファンドに「利益確定」の売り

世界的な株高を受けて三菱UFJアセットマネジメントが設定する「オルカン」や「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」など外国株式インデックスファンドの人気が戻るとともに、外国株式アクティブファンドの代表格である「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)(愛称:世界のベスト)」(設定はインベスコ・アセット・マネジメント)の売れ筋ランクも第5位にアップした。ただ、同じく代表的なアクティブファンドである「フィデリティ・グロース・オポチュニティ・ファンドDコース(毎月決算・予想分配金提示型・為替ヘッジなし)」(フィデリティ投信)の順位は第10位にまで落ちた。

4月の基準価額の動きでは「世界のベスト」が11.09%上昇に対して「フィデリティ・グロース・オポチュニティ・ファンドDコース」は20.69%上昇と一段と良い成績だった。4月末時点で過去1年間のリターンを比較すると「世界のベスト」が17.21%に対して「フィデリティ・グロース・オポチュニティ・ファンドDコース」は56.56%と圧倒的な高いリターンになっている。より良い成績のファンドが株価上昇局面で売れ筋ランクダウンするということは、成績の良いファンドには「利益確定」を急ぐ傾向がみられるということだ。イラン紛争に終結の道筋が見えない中で、一定水準以上の利益が実現しているファンドについては利益を出して株価下落の影響を回避したいというのが現在の投資家心理なのだろう。

執筆/ライター・記者 徳永 浩