三菱アセット・ブレインズ提供のデータに基づいて2026年6月の各資産のリターンを「MAB投信指数(MAB-FPI<Fund Performance Index>)=日本の公募追加型株式投資信託全体(除くETF)の動向を表す指数」」でみると、トップは「外国REIT」の5.11%(前月は1.73%)、第2位が「国内株式」の3.19%(同8.84%)、第3位が「エマージング債券」の2.52%(同0.12%)だった。トップ3に債券ファンドがランクインするのは、全般がマイナスパフォーマンスだった2026年3月を除くと2025年12月以来のことになる。ワーストは「国内債券」のマイナス0.03%(同マイナス0.53%)でマイナスは「国内債券」のみだった。

国内「半導体株」インデックスがパフォーマンス上位を席捲!

6月の月間リターン上位ランキングのトップは「SMT中国株式モメンタムファンド」(三井住友トラスト・アセットマネジメント)の26.81%だった。同ファンドは中国(香港を含む)に上場している株式を投資対象とし、株価の勢いや方向性を示す「モメンタム」に着目し、原則として、短期(6カ月)・中期(12カ月)・長期(36カ月)の各期間の株価上昇率に基づき各期間で上位7銘柄、合計21銘柄の投資銘柄を決定し、等金額投資している。設定が2025年12月16日と新しいファンドであるため、長期の運用実績を確認することはできないが、6月末時点での過去6カ月のトータルリターンは58.0%と優れた成績を残している。また、同様の仕組みで運用する「米国株」「日本株」「欧州株」「全世界株」「先進国株」「インド株」のファンドがある。

また、第2位に国内の半導体関連企業で時価総額上位30社を選定して構成する「日経半導体株指数」に連動する「野村インデックスファンド・日経半導体株」(設定は野村アセットマネジメント)が月間リターン24.71%で入った。第3位も同じ「日経半導体株指数」に連動する「eMAXIS 日経半導体株インデックス」(三菱UFJアセットマネジメント)の24.06%、そして、第7位には同じように日本の半導体関連企業30社で構成されたインデックス「Solactive Nippon Semiconductor Opportunity (ドイツのSolactive社が組成)」に連動する「ニッセイ・S日本半導体株式インデックスファンド<購入・換金手数料なし>」が19.88%のリターンでランクインした。

同じ国内半導体株インデックスでも「日経半導体株指数」と「Solactive Nippon Semiconductor Opportunityインデックス」では、構成銘柄が異なっている。たとえば、2026年6月の組入上位銘柄は、「野村インデックスファンド・日経半導体株」ではキオクシアHD(組入比率36.0%)、東京エレクトロン(14.0%)、アドバンテスト(8.6%)、ルネサスエレクトロニクス(6.7%)、ディスコ(6.6%)となっているが、「ニッセイ・S日本半導体株式インデックスファンド<購入・換金手数料なし>」では、東京エレクトロン(19.3%)、ルネサスエレクトロニクス(13.6%)、アドバンテスト(13.2%)、ディスコ(11.5%)、レーザーテック(6.8%)となっている。この組入銘柄・組入比率の差がパフォーマンスの違いにも表れている。

一方、前月は上位にランクされていた世界株の半導体関連株ファンドは「半導体関連世界株式戦略ファンド」(三井住友トラスト・アセットマネジメント)の6月の月間リターンは5.16%(前月は35.07%)と縮小したためにトップ15から落ちてしまった。日米ともに半導体関連株の値動きは大きいため、今後も月次騰落率ランキングの順位は大きく変動するものと考えられる。

半導体への“割高感”から「バイオ」「ゲノム」に資金流れる

また、6月のランキングでは第4位に上がった「グローバル全生物ゲノム株式ファンド(1年決算型)」(アモーヴァ・アセットマネジメント)、第6位の「USバイオ・ベンチャー(限定追加型)」(ベイビュー・アセット・マネジメント)、第8位の「eMAXIS Neo遺伝子工学」(三菱UFJアセットマネジメント)など、バイオ関連株ファンドが上位に上がっている。バイオ関連株は情報技術系のテクノロジー株の活躍に隠れて顧みられることがなかった銘柄群だが、半導体株の株価上昇に伴う割高感の台頭もあって、半導体株、AI関連株から他の業種群へと資金がローテーションする動きが出始めている。半導体、AI以外の分野の成長期待株の物色が、どの程度の規模と期間で続くものなのか、今後の展開に注目していきたい。

 

執筆/ライター・記者 徳永 浩