韓国半導体SKハイニックスが米NASDAQ市場にADR(米国預託証券)を上場する7月10日が迫ってきました。SKハイニックスはAI時代のメモリー半導体といわれるHBM(広帯域メモリー)のグローバルトップ企業です。AI半導体の雄である米NVIDIAともHBMの供給で業務提携し、米国で株価が急騰した同業のマイクロン・テクノロジーを圧倒する売上高、営業利益を誇っています。
韓国株は「コリア・ディスカウント」といわれる割安性があり、ADR上場後に世界基準で評価されることによって、一段と存在感を示すことになると期待されています。大きな期待が高まっているSKハイニックスに投資信託を通じて手軽に投資できる方法を探しました。
「SKハイニックス」はAI時代の申し子
SKハイニックスのIPO(新規上場株式)は、調達目標額が最大45.5兆ウォン(約4.75兆円)規模に上り、2019年のサウジアラムコによるIPOに匹敵し、過去最大級の規模になる見通しです。それほど大規模化するのは、同社が占める半導体業界における地位のためです。同社はHBM市場で約6割のシェアを維持する世界最大手。同社に続く韓国サムスン電子と米マイクロンが約2割のシェアとなっています。同社はHBMを早期に開発・量産したことでNVIDIAやGoogleといったAIアクセラレータ向けの供給で先行しました。メモリーで世界最大のサムスン電子がHBM市場でのシェア拡大に注力しているものの、同社の牙城を崩せないでいます。
近年AIブームにのって、SKハイニックスの株価も急上昇し、2026年6月末までに年初来307.07%の上昇、過去1年間で807.53%の上昇を記録し、この株価上昇によって同社の時価総額はサムスン電子を抜いて韓国株式市場でトップに躍り出ました。
ただ、これほど株価が上昇したにもかかわらず、SKハイニックスの株価は決して割高にはなっていません。その理由の一つが「コリア・ディスカウント(韓国市場特有の低評価)」です。韓国株式は、「海外機関投資家によるカバレッジ不足」「地政学リスク」「ガバナンス・株主還元への懸念」などから歴史的に割安に放置されてきました。その結果、SKハイニックスの株価を2026年6月末時点で直近12カ月のEPSを使ってPER(株価収益率)を計算すると、SKハイニックスは25.08倍、サムスン電子は26.80倍、マイクロンは26.05倍という結果になります。HBM市場の成長期待、また、圧倒的なシェアを考えると、マイクロンより低い評価ということはないのではないでしょうか。NASDAQにADRを上場した後、グローバル投資家層の拡大や「SOX指数(フィラデルフィア半導体株指数)」への採用も予定され、インデックス資金の資金流入も期待されています。