投資信託を選ぶ際、各販売会社が自社のサイトで公開している「売れ筋ランキング」を確認する個人投資家は多い。そのランキングを定点観測して、トレンドを追う連載。今回は、マネックス証券のデータをもとに解説。
マネックス証券の投信売れ筋ランキングの2026年3月のトップは前月と変わらずに「楽天日本株4.3倍ブル」だった。第2位には前月第3位の「SBI 日本株4.3ブル」が上がり、第3位には前月第5位だった「日経225ノーロードオープン」が上がった。前月は第2位だった「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」(愛称:オルカン)は第4位に後退した。また、前月第10位だった「インベスコ 世界厳選株式オープン<為替ヘッジなし>(毎月決算型)」(愛称:世界のベスト)が第6位に上がり、トップ10圏外から「たわらノーロード 日経225」が第7位に、「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」が第9位にランクインした。前月第7位だった「楽天・日本株3.8倍ベアⅢ」と第9位だった「三菱UFJ純金ファンド」はトップ10圏外に落ちた。
※マネックス証券サイト内「ランキング一覧」の「月間売れ筋」に基づき編集部作成。期間は2026年3月1日~3月31日。
https://fund.monex.co.jp/rankinglist#MonthlySales
株価下落で国内株の押し目買い
マネックス証券の売れ筋ランキングで楽天投信投資顧問が設定する「楽天日本株4.3倍ブル」が2025年9月から7カ月連続でトップを維持している。日々の基準価額の値動きが、わが国の株式市場全体の日々の値動き(日々の騰落率)のおおむね4.3倍程度となることを目指して運用する「レバレッジ型」ファンドだ。2026年2月末時点で過去6カ月間のリターンは245.33%と抜群の成績を誇ったが、3月は1カ月間で50.41%の急落となった。3月末時点での6カ月間リターンは35.23%に縮小している。
3月にはSBIアセットマネジメントが設定する「SBI 日本株4.3ブル」が第2位に上がっていることからも、3月の急落場面で国内株の「押し目買い」に動いた投資家が少なくなかったことと考えられる。ところが、3月末まで一方的に下落し、4月に入っても弱い市場の動きに投資家は、どのような判断をするのだろうか? 「レバレッジ型」は基準価額の値動きが大きいだけに4月のランキングの変化が注目される。
また、3月のランキングではアセットマネジメントOneの「日経225ノーロードオープン」や「たわらノーロード 日経225」、そして、三菱UFJアセットマネジメントの「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」といった「日経平均株価」連動型のインデックスファンドがランクアップしている。第10位になった大和アセットマネジメントの「iFree 日経225インデックス」を合わせると、トップ10のうち4本が「日経平均株価」連動型インデックスファンドになっている。3月は「日経平均株価」がマイナス13.23%と大きく下落したため、連動型インデックスファンドも月間で10%を超える下落率になっている。この下げを「投資チャンス」と感じた投資家が多かったということだ。
市場の動きに対応したタイミングを見計らった投資という側面が強い「レバレッジ型」と違って、ノーマルなインデックスファンドは日本株式市場の将来を展望して魅力的な資産であると評価した腰の入った「押し目買い」とみることができる。米国株と比較した割安感、あるいは、積極的な株主還元姿勢など国内株は投資資産としての価値を高める努力を継続している。今後、高値から20%以上も下落して「弱気相場」といわれる水準になると、かつての「失われた30年」のイメージがオーバーラップしてしまうことにもなろうが、マイナス10%~20%という水準にとどまる限りは「押し目買い」の意欲は衰えにくいと考えられる。
国内株市場の行方を大きく左右しそうなのは原油価格だ。原油価格が高止まりし、それが長期化するようなことになれば、政府からエネルギー消費の抑制要請など景気を冷やす号令が出かねない。そのような号令が出ると、2023年以降に名目GDP(国内総生産)が3~4%という比較的高い成長を続けている国内景気が腰折れしてしまう可能性もある。その場合は、国内株式市場が一段と低迷することになりかねない。
米国はイランへの攻撃を4月中旬か下旬には終結させるとしているが、その終結が実現されるのか? また、その後のホルムズ海峡を通過するタンカーに対してイランはどのような対応をみせるのか? 原油価格を巡る動きから目が離せない。

