投資信託を選ぶ際、各販売会社が自社のサイトで公開している「売れ筋ランキング」を確認する個人投資家は多い。そのランキングを定点観測して、トレンドを追う連載。今回は、千葉銀行。
千葉銀行の月間売れ筋(店頭月間販売件数)ランキングの2026年2月のトップは前月第2位だった「分散名人」が上がった。前月トップの「ゴールド・ファンド(為替ヘッジなし)」は第2位に後退し、前月第3位の「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」は第3位をキープした。第4位には前月第9位だった「日本株好配当ファンド(年1回決算型)(愛称:配当名人)」がジャンプアップ。トップ10圏外から第6位に「インデックスファンド海外株式(ヘッジなし)」、第9位に「ラサール・グローバルREITファンド(1年決算型)」、第10位に「アムンディ・日経平均オープン」がランクインした。
※千葉銀行サイトのファンド・基準価額一覧のランキング「店頭月間販売件数」に基づいて編集部作成。2026年2月末基準。
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7つの資産に分散投資、リターンに対するリスクも低い?
千葉銀行の投信売れ筋(店頭販売件数)トップは、ちばぎんアセットマネジメントが設定する「分散名人」になった。同ファンドは、中長期的に収益が期待できる7つの資産(国内債券、海外債券、国内株式、グローバル株式、国内リート、グローバルリート、金)を投資対象とし、各資産への投資割合は7分の1ずつの均等投資を基本とするファンドだ。わかりやすい仕組みであり、かつ、一般的なバランス型ファンドでは株式、債券、リート(不動産投信)で資産分散をはかるところへ近年の値上がりで注目を集める金(ゴールド)を加えていることで資産成長への期待が一段アップしている。
また、7つの資産の中で「国内債券」はデフレが続いていた国内経済の状況によって国内金利は超低金利状態が続き、同ファンドが投資対象とする超長期国債の利回り水準についても30年国債利回りが2022年4月までは年1.0%を下回るゼロ%利回りだった。2022年5月以降に1.0%以上に上昇し、2024年5月以降は2.0%以上、2025年7月以降に3.0%以上に上昇した。国内経済がインフレに転換したため、今後も極端な低金利に落ち込むことはないと考えられるようになった。また、超長期国債利回りが上昇してきたことで、従来は投資対象としての魅力に乏しかった「国内債券」にも一定程度の投資魅力が復活してきた。近年になってバランス型ファンドの人気が復調してきているのも、多くのバランス型ファンドが組み入れ対象にしている「国内債券」に投資価値が出てきたことによるものといえる。
「分散名人」のパフォーマンスは、2026年2月末時点で過去1年間のリターンが26.80%、3年で54.19%だ。これに対するリスク(標準偏差)は1年で5.09%、3年(年率)は5.50%であり、リターンに対するリスクが低く抑えられた運用成果になっている
そして、ちばぎんアセットマネジメントが設定する「配当名人」は、国内株式を主な投資対象とし、市場流動性を考慮しながら平均配当利回りが市場平均を上回るようにポートフォリオを構築する。2026年2月末時点で組み入れ銘柄数は135銘柄でポートフォリオの平均予想配当利回りは2.7%になっている。銘柄選定にあたっては、業績動向や配当利回りの水準、株主還元の動向、株価の割安度などに着目して銘柄組入れの可否を判断している。2月末時点での過去1年間のリターンは62.60%で、これは日経平均株価に連動する10位の「アムンディ・日経平均オープン」(設定はアムンディ・ジャパン)の60.64%を上回っている。
この他にも2月の売れ筋ランキングで新規ランクインした「インデックスファンド海外株式(ヘッジなし)」(設定はアモーヴァ・アセットマネジメント)は日本を除く先進国株式インデックス「MSCI-KOKUSAIインデックス(税引後配当込み、円ベース)」に連動する動きをめざすインデックスファンド、そして、「ラサール・グローバルREITファンド(1年決算型)」(設定はアモーヴァ・アセットマネジメント)は先進国REITを投資対象としたアクティブファンドだ。
千葉銀行の2月の売れ筋をみる限り、投資家の関心はトップ10に3ファンドがランクインした国内株式へ高まっているものの、日本を除く先進国株式や先進国REITなどにも関心が寄せられている。これらの資産に分散して投資するのがトップの「分散名人」だ。2月まで続いてきた世界的な株高に対して投資家の間で高値警戒感が出てきていることが、バランス型ファンドをはじめ「日本株好配当」や「グローバルREIT」への関心が高まっているところにもうかがえる。
執筆/ライター・記者 徳永 浩

