投資信託を選ぶ際、各販売会社が自社のサイトで公開している「売れ筋ランキング」を確認する個人投資家は多い。そのランキングを定点観測して、トレンドを追う連載。今回は、みずほ銀行。
みずほ銀行の投信月間販売額ランキングの2026年4月のトップは前月と同様に「ピクテ・プレミアム・アセット・アロケーション・ファンド」だった。第2位には5月26日に新規設定予定の「One/ティー・ロウ・プライス インフレガード&オポチュニティ・ファンド(モデレートコース(標準))(愛称:IGO)」が入り、第3位は前月同様に「キャピタル世界株式ファンド」だった。第4位にも「One/ティー・ロウ・プライス インフレガード&オポチュニティ・ファンド(オポチュニティコース(積極))(愛称:IGO)」が入った。第5位は前月と同様に「キャピタル世界株式ファンド年2回決算(分配重視)」だった。前月第4位だった「ピクテ・ゴールド(為替ヘッジなし)」は第6位に後退した。また、トップ10圏外から、第8位に「キャピタル・インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICA 年2回決算(分配重視)」、第9位に「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」がランクインした。
※みずほ銀行サイト内「投資信託ランキング」の「月間販売額ランキング」に基づき編集部作成。期間:2026年4月1日~4月30日。
https://www.mizuhobank.co.jp/fund/ranking/index.html
設定前の「IGO」が売れ筋にランクイン
みずほ銀行の投信販売額ランキングで第2位と第4位にランクインした「IGO」(設定はアセットマネジメントOne)はランキングの集計時の4月末時点では設定されていない(設定日は5月26日)。当初募集が4月20日に始まったばかりだが、その申し込みの勢いが強すぎたために、4月の売れ筋ランキングに載せざるを得なかったということなのかもしれない。それほど、投資家のニーズにファンドの運用目的が「刺さった」のだろう。
「IGO」は、そのファンド名にあるとおり、「インフレ(物価上昇)」から資産を守りつつ、プラスアルファのリターンが狙うファンドだ。投資対象は、国内株式、国内債券、世界株式(新興国含む)、世界債券(国債、政府保証債、政府機関債、地方債、国際機関債、物価連動債および新興国の債券を含む)、および、REIT(不動産投信)等であり、これに加えて想定外のインフレ局面で活躍が期待される「リアルアセット関連資産(実物資産<エネルギー、天然資源、不動産、素材、インフラ、コモディティ等>に関連した事業(建設、輸送、公共サービス関連事業等を含む)を行う企業の株式等)、および、物価連動国債等に投資する。
3つのコースがあり、「ガードコース(安定)」は運用目標を「日本のインフレ率を長期的に年率1%程度上回るリターン」に置き、「モデレートコース(標準)」は同2%程度上回るリターン、「オポチュニティコース(積極)」は同3%程度上回るリターンをめざす。実質的な運用は、インフレに関して50年以上にわたる調査・分析・運用実績があるティー・ロウ・プライスが担当する。
イラン紛争をきっかけとした原油価格の高騰に伴うインフレ懸念をいうまでもなく、ここ数年はコメをはじめとした農水産物の価格など、生活に直結するモノの価格の上昇を経験している。遅ればせながら預貯金の金利もゼロ%にプラスアルファ程度には上がってきているものの、物価上昇率には及ばない。現金・預貯金では物価上昇に負けて実質的な資産の目減りを覚悟しなければならないのが現実だ。新NISAを使って株式インデックスファンドを積み立てて積極的に資産を増やそうという人も増えてはいるが、株式ファンドの価格変動の大きさを受け入れられない人の方が圧倒的に多いというのが現状だろう。そこで、「インフレに負けない」ことを第一の目標として安定的な運用をめざすファンドが企画され、実際に支持された。そのようなファンドを待ち望んでいた人たちが多かったといえる。
トップ10から国内株ファンドが消える
一方、3月のランキングではトップ10に入っていた「MHAM株式インデックスファンド225」や「One割安日本株ファンド(年1回決算型)」(いずれも設定はアセットマネジメントOne)という国内株ファンドが4月にはトップ10から消えてしまった。代わってランクインしているのは、「キャピタル・インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICA 年2回決算(分配重視)」(設定はキャピタル・インターナショナル)や「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンド(毎月分配型)」(ピクテ・ジャパン)などの外国株式ファンドだ。4月は国内株も米国株も史上最高値を更新する株高局面だったが、価格が上昇する中で、国内株は利益確定で早々に売却(解約)されてしまうという傾向が強い。外国株式ファンドは、価格が上がる中でも購入されるのは、中長期的な投資対象として優位な投資商品という期待が強いのだろう。
執筆/ライター・記者 徳永 浩

