投資信託を選ぶ際、各販売会社が自社のサイトで公開している「売れ筋ランキング」を確認する個人投資家は多い。そのランキングを定点観測して、トレンドを追う連載。今回は、福岡銀行。
福岡銀行の売れ筋(店頭販売件数ランキング)の2026年7月のトップは前月第7位だった「ストックインデックスファンド225」がジャンプアップした。前月トップの「世界半導体関連フォーカスファンド」は第2位に、前月第2位だった「野村世界業種別投資シリーズ(世界半導体株投資)」は第3位に、前月第3位だった「三井住友・配当フォーカスオープン」は第4位に、それぞれ1ランクずつ順位を落とした。また、前月第4位だった「netWIN GSテクノロジー株式ファンド B(H無)」は第6位に、前月第6位だった「米国NASDAQオープンBコース」は第8位になるなど、米ハイテク株ファンドは2ランクダウンした。一方、前月第9位だった「グローバル・ベスト・ファンド」は第7位に上がった。
※福岡銀行サイトのファンドランキング、「店頭販売件数ランキング」に基づいて編集部作成。評価日は2026年7月31日現在。
https://awc.wealthadvisor.jp/webasp/fukuokabank/
225など国内株ファンドへの評価が高まる
福岡銀行の2026年7月の売れ筋(店頭販売件数)は、トップに「ストックインデックスファンド225」(設定は大和アセットマネジメント)、第4位に「三井住友・配当フォーカスオープン」(三井住友DSアセットマネジメント)、第5位に「One国内株オープン(愛称:自由演技)」(アセットマネジメントOne)が入り、上位5本のうち3本を国内株ファンドが占めた。残る2本は世界の半導体関連株に投資するファンドだったため、7月はAI・半導体株が崩れて世界的に株式市場が不振で、かつ、その影響で国内の日経平均株価は月間で8%を超える下落率だったが、福岡銀行を通じて投信を購入している投資家の多くは、引き続き半導体関連株や国内株に対して強気の見方をしているということだ。
上位に食い込んでいる国内株ファンドはトップのインデックスファンド、そして、ややディフェンシブな配当の水準に着目した「三井住友・配当フォーカスオープン」、また、その時々の市場環境に応じてグロース(成長株)重視にもバリュー(割安株)重視にも自在に投資スタンスを変える「自由演技」となっている。「自由演技」の組み入れ上位銘柄の顔ぶれではメガバンクやトヨタ自動車、ソニーグループが上位を占めており、AI・半導体関連株で市場の勢いを取りに行くより、ディフェンシブな投資態度に重きを置いているように見える。
また、トップの日経平均連動型ファンド「インデックスファンド225」は、TOPIX(東証株価指数)と比較すると値上がり益重視のグロース系投資ファンドだが、日経平均が下落する局面での「押し目買い」の動きだ。国内株式については基本的に強気のスタンスを維持しつつ、リスクにも十分配慮しながら国内株への投資を実行する姿勢がみえる。
「世界のベスト」を10年実績で抜くファンドとは?
ランキングの第7位に上がってきた「グローバル・ベスト・ファンド」(三井住友DSアセットマネジメント)は、純資産残高が4兆円を超える巨大人気ファンドの「世界のベスト」(インベスコ・アセット・マネジメント)をほうふつとさせるファンド名だが、設定は2006年9月と約20年の運用実績がある。人気化したのはAIブームが始まった2023年頃のことだ。1999年1月に設定された「世界のベスト」も人気が加速したのは2023年頃のことなので、ともに同じようなタイミングで人気化したものの、現在の残高はかたや約4兆2700億円に対して「グローバル・ベスト・ファンド」は約760億円と大差がついてしまった。同ファンドの実質的な運用を担うはティー・ロウ・プライスであるため、インベスコと比較して見劣りするようなことはない。
長期のパフォーマンスをみると、「世界のベスト」は2026年7月末時点で過去5年が158.98%に対し「グローバル・ベスト・ファンド」は90.49%と劣っている。過去10年では「世界のベスト」の296.64%に対し「グローバル・ベスト・ファンド」は429.26%と勝っているだけに、この5年間の運用成績のイメージで、市場の人気が離れているのかもしれない。運用ポートフォリオの特徴は、「AIインフラを中核成⻑エンジンとして維持する方針」をとりつつ、「AIをめぐる問いは『追加の1ドルの資本がどこで魅⼒的なリターンを生むか』へ移行したと考え」、「資⾦の流れをたどり、⽀出を収益と着実なリターンに変えている企業を⾒極め」、持続的なリターンの提供に努めるとしている。ポートフォリオに占める米国の比率が48.4%とグローバルファンドとしては低く、日本が第2位で16.0%とかなりオーバーウエイトにするなどユニークな運用をしている。
福岡銀行のランキングでは、2026年1月に第10位にランクインし、その後、少しずつランクを上げて第7位は今年の最高位だ。今後、どこまで人気を獲得できるか注目したい。
執筆/ライター・記者 徳永 浩

