新規設定ファンドの動向
2026年上半期に新設された一般公販ファンドは127本となった(図表 10)。単純に年率換算すれば250本程度となり、2019年以降の年間200本から300本程度のレンジと大きく変わらないペースで推移している。一方で、新設ファンドへの資金流入額は本数の動きとは異なり、高水準で推移している。設定月および翌月の純資金流入額の合計は、2026年上半期時点で1兆1,416億円に達しており、半期時点ですでに2025年通年の1兆3,129億円に迫る水準となった。単純に年率換算すれば2兆円を上回るペースであり、新設ファンドへの資金流入額は、新設が盛んだった2010年代前半に近い水準で進んでいる。
新設ファンドの資金流入上位(図表 11)を見ると、テーマ性や成長分野を打ち出したファンドに多くの資金が集まった。設定当初2カ月の純資金流入額では、「マテリアル・イノベーション戦略株式ファンド〈為替ヘッジなし〉」「ノムラ・エマージング・オープン」「モルガン・スタンレーフィジカルAI株式ファンド」の上位3本が1,000億円を超える資金を集めた。上位3本はいずれも株式型ファンドであり、テクノロジー、素材、新興国、AIなどストーリー性を持ったファンドが、設定直後から大きな資金流入を記録した点が特徴的である。
ただし、ストーリー性を持つようなテーマ型ファンドへの投資には慎重な目線も求められる。テーマ型ファンドに関するレポート4でも述べられているように、テーマ型ファンドは期待が高まり株価が上がった局面で設定・販売されることも多く、投資タイミングによっては期待通りのリターンが得られない可能性がある。また、非テーマ型ファンドと比べて運用費用が高い傾向にあることも、長期的なパフォーマンスの下押し要因となり得る。投資家は、テーマの魅力度だけでなく、コストやリスク特性なども確認したうえで投資判断を行う必要がある。
4 「日本のテーマ型ファンドの動向 2026 年 3 月末版」https://www.morningstar.com/ja-jp/business/lp/japan-thematic-fund-market


