一般的に各種手数料の引き下げは、そのサービスを利用する側にとっては喜ばしいこと、とされます。言うまでもなく、手数料は利用者にとってコストに過ぎませんから、低ければ低いほど良いのは当たり前でしょう。

金融サービスのコスト競争はいつから始まった?

これは金融サービスも同じで、ここ10年くらい、金融サービスのさまざまな分野において、手数料などのコスト引き下げ競争が繰り広げられてきました。

最初にコスト競争が始まったのは、株式の売買委託手数料です。昔は固定手数料が適用されていて、どの証券会社で取引しても、売買委託手数料の料率は同じでした。それが90年代半ばくらいまで続いたと思います。

株式の売買委託手数料を初めて引き下げたのは松井証券でした。店頭市場(今のグロース市場)の株式を対象に引き下げ、業界慣行を見事に崩したのです。

その後、1998年あたりからネット証券が登場したのと同時に、「日本版金融ビッグバン」と称された金融規制の緩和が行われ、上場株式も含めて株式の売買委託手数料の自由化が行われました。ここから本格的な株式の売買委託手数料の引き下げ競争が始まり、今では無料にしたネット証券もあります。

日本版金融ビッグバンは外国為替取引も例外ではなく、これを機にFX(外国為替証拠金取引)が登場しました。FXには通貨を売買する際の取引にかかる取引手数料と、買値・売値の差額であるスプレッドという2つのコストを投資家が負担するのですが、特に取引手数料はすさまじい引き下げ競争が行われた結果、今では大半のFX会社が取引手数料を無料化しています。

そして、投資信託の購入時手数料や信託報酬も、大幅に引き下げられました。かつては購入時手数料が購入金額に対して2%、信託報酬率は日本株アクティブファンドで年2%程度だったのが、今では購入時手数料を取らない販売金融機関が増えるのと同時に、信託報酬率はインデックスファンドを中心にして大幅に下がり、今では年0.05775%まで下げたファンドも出てきました。