<前編のまとめ>
母の介護を担ってきたシングルマザー彩さん(51歳)は、ようやく母を施設に預けたことで婚活に本腰を入れます。
しかし、認知症の母からの絶え間ない呼び出しや愚痴によって、思うように婚活は進みません。ようやく出会えた交際相手にも、次なる壁が待ち受けていました。
●前編:“母の娘”を卒業できない51歳シングルマザー、ようやく施設に預けたのに…資産家との結婚を阻む「再出発の壁」
難色を示す意外な人たち
彩さんが交際を始めた68歳の男性は不動産会社を経営し、現在は息子に会社を譲り会長として余裕のある生活を送っています。年収は2000万円。都内に自宅があり、別荘も所有する裕福な男性でした。息子たちもそれぞれ都内に自宅を持ち、彼は一人暮らし。息子や息子の家族との関係は良好で、時々食事をしたり別荘で過ごしたりしていました。
彩さんとの結婚話が出た時に家族は賛成してくれたのですが、意外な人たちが難色を示したのです。彼の友人たちです。
というのも、お金があって一人暮らしをしている彼の家は、みんなの憩いの場だったのです。自宅には本格的なカラオケ設備があり、また別荘はゴルフ場の近くで、泊りで楽しめます。
もし彼に奥さんができたら、今までのような気兼ねない遊びができなくなる友人たちはきっと嫌な顔をするでしょう。つまり友人たちにとっての“パラダイス”がなくなるというわけです。
また女友達からは、嫉妬の声が上がりました。「お金目当ての女じゃないの?」と。そして「心配だから見定めてあげる!」という意見も飛び出しました。そして不安になった彼は、あろうことか女友達に、彩さんが結婚相手にふさわしいかどうかの判断をお願いしてしまうのです。