<前編のあらすじ>
定年退職を機に、東京から田舎の古民家へ移住した隆史と美智子。しかし、待っていたのは過酷な自然と閉鎖的な人間関係だった。
さらに、夫が地元の怪しげな投資話に騙され、老後資金から1500万円もの大金を無断で使い込んでいたことが発覚。問い詰める美智子に対し、夫は「俺の金だ、嫌なら東京へ帰れ!」と逆ギレ。極寒の地で、夫婦の信頼関係は跡形もなく崩壊した。
●前編:「憧れの田舎暮らし」はとんでもない地獄だった…老後資金を使い込んだ夫の狂気に妻が感じた絶望
凍りついた家…2週間たっても問題は解決せず
あの激突から2週間、私たちの間には完全な沈黙が流れていた。
夫は相変わらず夜遅くに帰宅し、私が作った食事には手をつけず、コンビニの弁当を自室で食べているようだった。暖房費を節約するため、私はリビングの薪ストーブを消し、1枚の毛布にくるまって過ごした。息が白くなるほど寒い部屋の中で、私の心は復讐心と絶望で満たされていた。
「離婚して、慰謝料をとって東京へ戻ろう」
そう思い、スマホで弁護士のサイトを検索する日々。しかし、現実は非情だった。いまの状況では東京でアパートを借りる初期費用すら惜しい。夫の「投資」という名の泥沼にお金は消え、私たちはこの地で共倒れするしかないのだという恐怖が、毎晩私を襲った。
