晩婚化が進み、50代以上で結婚することも珍しくなくなりました。ところが中高年の結婚には、若い世代とは違う悩みが付きものです。「ずっと独身だったから気軽に結婚できるでしょう?」と周囲は言いますが、実際には背負うものが多く、決断には時間がかかります。
結婚を決めるまでに、親の介護、子どもたちからの許可、資産分割など次々に課題が出てきます。意外なところでは、友人や知人、仕事関係者など周りの声も大きくなる場合もあります。
母親の介護で婚活が進まない
彩さん(51歳)は兄(59歳)と2人兄妹。お母さんは「男の子にはなかなか用を頼めない」という昔気質の性格ということもあり、介護の依頼は娘である彩さんに集中しました。
離婚歴があり、ずっと仕事をしていた彩さんは都内に住み、郊外に住む母親の家に週に1回、泊まりがけで通っています。そして兄も月に1回は手伝いに来ていました。彩さんは「兄は男だから仕事が大変とよく言うけれど、私の方がずっと大変なシングルマザーということを、母はわかっているのかしら?」と思っていたのです。
若い頃は、母親に頼られるのが嬉しかったのですが、彩さんも気づけば50歳を超えています。母親のこと以上に自分の将来が心配になってくるのは当然。この先仕事を続けられるのか、収入は?と思うと不安で仕方がないのです。