土地トラブルを解決した一通の内容証明

ほどなくして冨浦さん宛に直接、匠さんからメッセージがあり「匠さんからメッセージがあり、賃貸であることを認めました!」と近況を聞かせてくれた。

そして8月某日、2人からの依頼ということで賃貸借契約書を作成した。条件はもちろん使用貸借だ。

何だかんだ事態は円満に解決したのだが、今回のケースは本当に偶然だ。このような土地の時効取得が問題となると事態が複雑化し、訴訟に発展したり年単位での話し合いとなったりすることも珍しくはない。

土地は賃貸借のように長年所有者と使用者が一致しない状態が続くと、権利関係の根拠があやふやになりやすい。そこに相続が加わることで様々な事実関係が見えづらくなったり、歪曲して解釈されたりして、誤った時効取得の主張につながりやすくもなる。

読者諸兄も長期間貸したままになっている土地に心当たりがあれば、すぐにでも現状の事実関係の把握と適宜当事者への確認をしていただきたい。

そうすることで、冨浦さんのように時効取得によって土地を失いかけるトラブルが起こるのを防げるはずだ。

※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。