<前編のあらすじ>
東京都在住の会社員、長嶺香織さん(仮名)は48歳、独身です。今年地元で開かれた高校の同窓会に出席し、改めて“あとがない”年齢であることを実感。
「来年には50になるのにこのままではさすがにマズイ」と一念発起した長嶺さんは、ファイナンシャルプランナー(FP)に相談することを決意します。
●前編:【「もっといい人がいるはず!」高い理想を掲げた48歳独身女性の末路…勝ち組同級生を前に募る“おひとりさま老後”への焦り】
「明日は我が身」テレビで見た高齢者の切実な生活
以前、体調不良で自宅作業にしてもらった日、たまたま見ていた夕方のニュース番組で年金生活者を特集していました。1人暮らしの高齢女性が何人か登場し、夏の暑い季節なのに年金額が少ないからエアコンをつけられないとか、年金が出た日だけ近所の店で1杯500円のラーメンを食べるのが一番の楽しみだと話していて、リアルに「明日は我が身」だと思いました。
48歳、独身、彼氏なしの私は、シングルのままで老後を迎える可能性が大です。しかし、去年始めたNISA(少額投資非課税制度)の積み立てを除けば、預金口座の残高は200万円から300万円の間を行ったり来たり。自宅も購入できず、賃貸暮らしを続けています。そもそも、未だに理想の生活は「裕福な男性と結婚して趣味でカフェやサロンを経営すること」なのですから、生涯おひとりさまの覚悟すらないと言えます。
母の一番下の妹で独身だった叔母は、数年前に指定難病で亡くなったのですが、自宅の処分はもちろん、最期の時を過ごしたホスピスや納骨先、遺産の寄付先など全てを生前に手配していて、姉である母が「もう少し頼ってくれても良かったのに」とこぼしたほどです。遺産も5000万円近くあったそうで、甘やかされて育った自分はとても叔母のようにはなれないと思いました。