人生の後半戦で一番大切なのは“いい人間関係”

「ありがとうございます! やっぱり野中さんは私の思った通り、結果を出してくださる方でした」。1人で盛り上がる私に、野中さんはこんな話をしてくれました。

「長嶺さん、確かにお金も大切だけれど、人生の後半戦で一番大切なのは人ですよ。友人でも家族でも、いい人間関係を築いておくことが豊かな老後につながるんです」

「別に、誰とでも仲良くしなさいと言っているわけではありません。人生の残り時間も限られるわけですから、毒親や毒友、自分にとって害にしかならない人たちと無理に付き合う必要はない。でも、特におひとりさまは身近で助け合ったり慰め合ったりできる人を作っておくことに意義があります」

野中さんは私より10歳ほど上の世代ですが、数年前に人間関係のリストラを断行したというご自身の体験談を踏まえたお話は説得力がありました。この話の流れで、野中さんからは兄夫婦や甥、姪との関係性を見直した方がいいという助言をいただきました。

「長嶺さんは世話にならないつもりでも、戸籍上の親族ですから、この先、何かしらの時には面倒を見たり見られたりする可能性が高いわけです。その時に普段親しくしている相手とそうでない相手ではモチベーションが全然違います」

相続についても、両親が元気なうちに兄と一緒に財産の全容とその引き継ぎをどうするのかを確認しておく必要があると言われ、「なるほどな」と思いました。

今できる備えで将来の安心を確保

野中さんは話し上手でもあり、「そもそも女性は男性よりも平均寿命が6年ほど長いですから、“高齢のおひとりさま”になる確率がめちゃくちゃ高いんですよ。そう考えれば、結婚している女性だっておひとりさまの老後対策が必要になるわけで、別に長嶺さんだけが大変なわけじゃありません」といった話を聞くと、不思議と心が軽くなりました。

野中さんとの面談を通して、私自身の考え方が激甘だったこと、また、自分自身がおひとりさまのくせに、おひとりさまに対する偏見のようなものを抱いていたことに気付かされました。半面、家計の見直しや資産形成など、今できることを少しずつ変えていくことで将来の経済的な安定、さらには現在の精神的な安定も図れることが、この数カ月の実践でよく分かりました。

疎遠だった実家の兄や義姉とも、最近はよく話をするようになりました。さすがに両親と相続の話はできていませんが、兄と“共闘”すれば、道は開けるのではないかと思っています。

野中さんはまさに私の救世主であり、これからもお金回りの相談相手というだけでなく、プライベートなメンターであり続けていただきたいと思っています。

※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。