<前編のあらすじ>
会社員の袴田瞬さん(仮名)は、妻の佳乃さんと長男・樹くんの3人家族です。しかし育児は義妹の彰乃さんが担っており、佳乃さんは完全なネグレクト状態。袴田さんは義妹に感謝しつつも、自宅に部外者がいる状況に違和感を覚えていました。
袴田さんは次第に離婚を考えるようになりますが、「親権の9割は母親が獲得する」という厳しい現実を知らされます。そうして決断をためらっている中、袴田さんが離婚を決意するに至る決定的な出来事が起こるのでした。
●前編:【「もはや義妹が息子の母親代わり」完璧だったはずの妻がネグレクト状態に…"理想のパートナー"に生じた予想外の綻び】
離婚を考え始めて直面した厳しい現実
1年ほど前まで、当時の勤務先のコンサル会社の同僚の佳乃と結婚していました。5年前には不妊治療の末に長男の樹を授かったのですが、予想外の事態が出来しました。佳乃がネグレクトの状態になってしまったのです。
佳乃の都内の実家から義妹の彰乃ちゃんが毎日我が家に通って樹の世話をしてくれましたが、樹の将来を考えるとこのような状態を続けていくのが得策とは思えませんでした。私自身も家の中に赤の他人が出入りする状態は落ち着かず、佳乃との離婚も視野に入れて知人の弁護士数人に相談していました。
そうした中で、日本では現状、離婚した場合は9割方、母親が親権を得ているという厳しい現実を突き付けられたのです。佳乃のネグレクトが証明できれば私に有利に働きますが、それを認めさせるのは難しそうだということでした。