<前編のあらすじ>

27歳の地方公務員・星野優花さん(仮名)は、奨学金返済と実家への生活費支援のため、役所の仕事の後に週3日スナックでアルバイトをしていました。役所の給料だけでは厳しい状況の中、アルバイトで得られる月収12万円の収入は彼女にとって貴重な収入源です。

しかし、お盆休みのある夜、スナックに役所の係長が現れるという最悪の事態が発生します。その日はママの機転により、なんとか係長には気付かれずに済みましたが……。

●前編:【「給料だけでは返せない」奨学金700万円返済に悩む公務員女性が始めた秘密のバイト…お盆休み中に起きた最悪の出来事】

研究職の夢破れ、地元の役所へ

私は地方の国立大学の院を出て研究職を目指していたのですが、専門分野は狭き門だったため就活で全敗。親の助言で採用試験を受けていた“すべり止め”の地元の役所に入ることにしました。それが2年半ほど前のことです。

就職に際しては悩みに悩みました。

院までは親から援助も受けていましたし、貸与型奨学金の残高も700万円を超えていたので、就職浪人という選択肢はありませんでした。ただ、その頃から福利厚生として奨学金の返済を肩代わりしてくれる会社が増えつつあり、私の周りで就活に失敗した友人たちには、そういう会社を選ぶ人が多かったのです。

何百万円もの借金を背負って社会人生活をスタートさせるのと、会社に払ってもらえるのではダンチ(段違い)です。地元ではそういう会社が見つからなかったので、とりあえず都内で探してみようと考えていました。

そんな私に地元の役所への就職を強く勧めたのは両親でした。「公務員ほど安定した仕事はない、公務員なら老後の心配も要らないから」というのが、その理由でした。