おひとりさま老後に備えるべくFPへ相談

しかし、実家で両親と同居する兄や義姉、甥、姪とはそれほど親しくもなく、いざという時には頼れません。「50を前にそろそろ“おひとりさま老後突入リスク”に備えた家計の見直しや資産形成をしておかないと」と焦燥感にかられて駆け込んだのが、ファイナンシャルプランナー(FP)の野中さんの事務所でした。

野中さんはウェブサイトで家計相談の連載を持っていて、相談者に寄り添った丁寧な回答ぶりが私の心にも刺さり、「自分を救ってくれるのはこの人しかいない」と思ったのです。

しかし、初対面の時の野中さんは私に対して若干厳しめでした。恐らく、私の人生観や生き方のスタンスが中途半端だったからだと思います。

今からでもいい人がいれば結婚したい。でも、現実的には難しいと思うので、シングルのまま老後を迎えてもエアコンが使えないような貧困に陥らない程度の資産は準備しておきたい。

私がFPだったとしても、相談者にこんなことを言われたらドン引きするかもしれません。

家計を見直せば100歳まで生活できると判明!

野中さんから最初に指示されたのは固定費の見直しでした。16万円の家賃(来年の更新でさらにアップする予定)、1人暮らしの不安からたくさんかけていた医療保険、月額1万円のiPhone通信料、ほとんど使っていないサブスクの利用料がリストラの対象になりました。

固定費以外でもボーナス払いのポチり買いを止めて買い物を小遣いや被服費の範囲内に抑えれば、毎月10万円、ボーナス30万円の貯蓄が可能になることが分かりました。

年間180万円、定年までの10年間で1800万円です。NISA口座で毎月3万円積み立てている投資信託が年平均3%で運用できれば、ここに500万円がプラスされ、退職金と合わせると4300万円になります。

それだけでも感動でしたが、固定費を圧縮して毎月の家計費を安定化させることで老後の家計も見通すことができ、私が再雇用で65歳まで働いて生活費を稼いでいれば、65歳以降の年金から毎月の生活費の不足分約8万円を切り崩していっても、医療や介護に充てる1000万円を別にして、100歳近くまで生活していけるというシミュレーション結果には思わず胸をなで下ろしました。