帰宅日に突き付けた7万円の請求書
3日目以降は例年通りでした。
ただ、今年は上の孫が大きくなって「今日は焼肉が食べたい」「ピザにして」「おやつはチョコレートケーキ」などとはっきり言うようになったので、表面上は「じゃあ、そうしよう」と従いながらも、外食先や、材料を購入したスーパーのレシートはしっかり取っておくようにしました。
お盆休みの前に娘から今年は帰らないという電話をもらった時、息子が手土産1つ持参せずに食事やレジャーの費用は全てこちら持ちなのを愚痴ったら、「食費くらいは払わせた方がいいよ。帰りの時にお兄ちゃんに請求書を突き付けてやれば?」と言われたことが頭にあったからです。
その時点で実行に移すつもりはありませんでしたが、さすがに今年は腹に据えかねることが多過ぎました。下の孫の世話や食事の支度、洗濯などを一切合切私に押し付けておいて、「ありがとう」の一言もないこと。いたずら盛りの上の孫を制御できず、悪いことをしても謝罪させもしないこと。そして、食事代やレジャー施設の利用料、子供の洋服代などを私たちに払わせて当たり前のような顔をしていること……。
そこで、息子たちが帰宅する日、澄ました顔で「これ、お母さんが立て替えたお前たちの食費。よろしくね」と7万円の請求書を差し出してやったのです。
その時の息子の驚いた顔といったら!
「手持ちの現金がないから」と後で私の口座に振り込んできましたが、1週間ほどして息子から電話で泣きを入れられました。嫁から「安くない交通費をかけて、帰省ラッシュの中、小さな子供を連れて大変な思いをして顔を見せに行っているのに」と責め立てられたとか。
「だったら来年からはもう来ていただかなくて結構です」
口元まで出かかった言葉を、さすがに大人げないかとぐっと飲み込んだのでした。
※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。