上の孫がしていた“あり得ない”いたずら

大変だったのは2日目からです。

上の孫は6時過ぎには騒ぎだしたせいで、身支度をさせたり、朝ごはんを食べさせたりしていましたが、息子たちはなかなか起きてくる様子がありません。夫が「休みの日くらいゆっくり寝かせてやれ」というので放っておいたら、結局、息子と嫁が顔を見せたのは昼近くになってからでした。

あまり食欲がないというので、朝昼兼用のそうめんと簡単なサラダをつくって出してやりました。テーブルに並べていると、嫁が上の孫がいないと騒ぎ始めました。

「ばぁばと一緒にいると思っていたから」と言い訳を並べる息子たちに、「私が探してくるから、そうめんが伸びないうちに食べて」と言い置いて、2階に向かって孫の名前を呼びました。返事はありませんでしたが、がさごそと動く音がしました。

「いるんでしょ、ちゃんと返事をしなさい」

声をかけてから、階段を上りました。

賃貸アパート住まいの孫は階段が珍しいようで、去年も勝手に2階に上がっていたことが何度かあり、姿が見えないと聞いた時から居場所の見当はついていたのです。

しかし、事態は私の想像を超えていました。

2階には桐ダンスが3竿並べてあり、中には茶道を嗜む私が仕立てた着物や、母や祖母から受け継いだ着物がしまってあります。孫はあろうことか、その引き出しを全て開け、中から着物を引っ張り出していたのです。

「何やってるの!」

思わず、大声を出してしまいました。