姉に付き添ってもらいスーパーの買い出しを練習
親子3人で話し合ってからしばらくしたのち。
亮子さんは母親に「やっぱり医師の診療を受けてみる」と告げました。
そこで、姉と一緒に訪問診療をしてくれる病院を探し出し、診療を受けることになりしました。
幸いにも訪問診療の医師は亮子さんの状況に理解を示し、優しく接してくれました。
そのおかげで、亮子さんは受診を続けることができそうです。これで障害年金の見通しが何とか立ったので、次は母親亡き後の生活に向けた準備をしていくことになりました。
亮子さんは20代前半の頃は母親の家事を手伝っていたこともあるので、気力を振り絞れば何とかこなすことはできるようです。しかし問題は買い物。
亮子さんは人の目が怖いので、買い物に出かけるのは簡単ではありません。とはいえ、別居している姉がその都度、食料品や日用品を用意するのにも限界があります。
そこでインターネットで買い物をすることも検討しましたが、「知らない配達員から荷物を受け取るのが怖い」「置き配は防犯上好ましくない」ということで断念。
亮子さんと話し合った結果、スーパーに買い出しに行けるよう練習をすることになりました。ただし一人では不安なので、姉に手伝ってもらうことになりました。
亮子さんは人目が気になるので帽子を目深にかぶり、極力目線が合わないような対策をとりました。レジでお金を払う際、緊張で手が震えてしまい財布の中の小銭がうまくつかめないので、慣れるまではお札だけで支払いをすることにしました。
時間はかかりましたが、姉に手伝ってもらって何度も練習したおかげで、何とかスーパーで買い物をすることもできるようになりました。
そうこうしているうちに、あっという間に1年以上の月日が流れて行きました。
その後、母親の容体が悪化。入院することになりました。
事実上、そこから亮子さんの一人暮らしが始まることになりました。
●いよいよ始まった亮子さんの一人暮らし。生活の様子は、後編【47歳ひきこもり女性「日々を生き抜くのに精一杯」電気やエアコンは最小限、入浴は2日に1度…親亡き後のギリギリの毎日】で詳説します。
※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。