ひきこもりのお子さんの中には精神疾患を抱え、障害基礎年金を受給しているケースも多く見受けられます。働くことが難しいお子さんにとって、障害基礎年金は大事な収入源です。しかし、障害年金(障害基礎年金および障害厚生年金)では、その支給が停止されてしまうこともあるのです。それはどのような理由によるものなのか? もし支給停止されてしまったら、再開に向けてどのような行動を起こせばよいのか? あるご家族のケースを見てみましょう。
突然の支給停止に困惑…母親の切実な訴え
「長男にはうつ病があり20歳からずっと障害基礎年金を受給してきました。しかし半年前にその支給が止まってしまったのです。長男はもう二度と障害基礎年金を受給することはできないのでしょうか?」
そう話すのは沼田哲夫さん(仮名・38歳)の母親(62歳)。
一体、哲夫さんに何があったのか。筆者は母親から事情を伺うことにしました。
哲夫さんは中学生の頃にいじめを受け、それが原因で不登校になってしまったそうです。ひきこもりのような生活を続けていったところ、次第に抑うつ症状が悪化。社会復帰することができず20歳から障害基礎年金を受給してきました。その後は2年ごとに障害基礎年金の更新をし、特に問題もなく継続して受給してきました。
しかし、今回の更新に限ってはそれがうまくいかず、障害基礎年金が支給停止になってしまったようなのです。