<前編のあらすじ>
新田詩織さん(仮名)は31歳で結婚し、現在33歳。夫の提案で義父母と同居を始めました。同居当初は円満でしたが、次第に義母からの小言が増えていきます。事あるごとに家事のやり方について注意され、我慢の限界を迎えた詩織さんが口ごたえすると、義母は「そんな性格だから子どもができないんじゃないの?」と心ない言葉を浴びせます。
夫は詩織さんではなく義母の味方をし、「お前はこの家に嫁いできたんだから、お前が我慢すればいいだけの話だろう!」と言い放ちます。絶望した詩織さんは実家に帰ることを決意しました。
●前編:【「実家に住めば家賃を貯蓄に回せる」義母と同居開始も2年で我慢の限界に…33歳女性に追い打ちをかけた夫の衝撃的なひと言】
実家に帰ったあと、軽い抑うつ状態と診断される
詩織さんは実家に帰った後、一度も義父母のいる家に戻ることはありませんでした。
義母と距離を置けたのはよかったのですが、それは同時に夫との別居生活が続いてしまうということでもあります。詩織さんは実家でも職場でも夫のことが気になってしまい、これからのことを考えるだけで気分も落ち込んでしまうのでした。そのせいで頭や体が重い、仕事に集中できない、何をしていても気分が晴れないという状態に陥ってしまったのです。
そのことを心配した職場の同僚から心療内科を受診するよう勧められ、詩織さんは受診をすることにしました。すると医師からは軽い抑うつ状態にあると言われました。その後も月1回程度の通院を続けながら、実家から職場に通う生活を続けてきました。
「最悪の場合に備え、給料以外の収入を確保することも検討しておきたい」
そのような考えから、詩織さんは筆者に相談することにしました。
面談の席で詩織さんは次のような質問をしてきました。
「精神疾患による障害年金の受給が増えているようですが、私も受給は可能でしょうか?」
「確かに精神疾患での請求は増加傾向にあります。とはいえ、全員が全員、障害年金が受給できるわけではありません。障害状態が重くなければ受給は認めてくれないからです」
筆者はそう答え、詩織さんの場合に当てはめて順を追って説明することにしました。