障害年金受給の可能性を探るも、現実は厳しく…
まず、障害年金ではその障害で初めて病院を受診した日から確認します。この初めて病院を受診した日を初診日といいます。詩織さんの場合、初診日には会社員として厚生年金に加入していたので、障害厚生年金を請求することになります。
なお、初診日の前日時点で公的年金の未納が多すぎると、障害年金の権利が発生しないのでそもそも請求ができません。詩織さんの場合、大学を卒業してから初診日の前日まで会社員として厚生年金に加入していたので、未納が多すぎるといったことはありませんでした。よって請求権利は発生します。
障害年金では、原則初診日から1年6カ月が経過した日以降に請求できます。この初診日から1年6カ月を過ぎた日を障害認定日といいます。
障害認定日時点で、障害年金の受給ができるくらい障害状態が重いかどうか? それが重要です。障害状態がどのくらい重いのかどうかは、主に診断書の記載内容で判断されます。
もし障害認定日当時の障害状態が軽ければ診断書の記載内容は軽めになり、請求しても障害厚生年金が認められる可能性は低くなってしまうのです。
詩織さんによると、抑うつ状態はそこまで重いわけではなく、仕事もできているとのことでした。
「どうやら障害年金は難しそうですね……。このまま別居が続いたら、いずれ離婚することになるかもしれません。もし離婚をしたら、夫婦間の年金はどのようになるのでしょうか?」
「詩織さんとご主人はともに会社員で厚生年金に加入中なので、個々人の月給および賞与を基に年金額が計算されます。よって、離婚しても何か影響が出ることはありません。ただし、離婚時の年金分割の請求をした場合は別です」
「それは何ですか? もう少し詳しく教えてください」