<前編あらすじ>
茨城県在住の専業主婦・幸田舞さん(34歳、仮名)は、5歳の娘が通う幼稚園のママ友グループで、絶対的リーダー格の瑠衣ちゃんママから投資話を持ちかけられます。
両親の影響で「株=ギャンブル」という先入観を持っていた舞さんでしたが、憧れの瑠衣ちゃんママから限られた人にだけ案内をしていると言われ、心のハードルが一気に下がりました。その後、「富裕層向けの特別なファンド」に300万円を投資すると残高は順調に増加。しかし、そんなうまい話が続くはずもありませんでした。
●前編:【「富裕層向けの特別なファンドなの」憧れのママ友からの甘い誘い…平凡な34歳専業主婦が300万円投資に踏み切ったワケ】
「NISAなんかよりずっといい」と思っていたが…
ひとり娘の莉子が通う幼稚園のママ友グループのリーダー・瑠衣ちゃんママから勧められ、預けているだけで毎月3%の利息が入る「ヨーロッパの運用会社が富裕層向けに提供している特別なファンド」に300万円を投資したのは、1年ほど前のことでした。
私はお堅い公務員の両親の影響で、「株=ギャンブル」的な先入観の持ち主です。夫は新しいNISA(少額投資非課税制度)で“オルカン(全世界株式型の投資信託)”の積み立て投資をしていて、私も何度か誘われましたが、その気にはなれませんでした。
しかし、凛としたキャラクターとモデルのような容姿で皆の羨望を集める瑠衣ちゃんママから直に声をかけられ、しかも、「この人ならと思った人だけ案内をしている」と言われたとなれば、話は別です。
私と仲のいい結菜ちゃんママも投資をしていると教えられて心のハードルが一気に下がり、瑠衣ちゃんママから教えてもらったウェブサイトで口座を開設し、結婚前に貯めていた500万円強の貯蓄のうち300万円を入金したのでした。
瑠衣ちゃんママは「毎月、利息が入ってくるわけだし、貯金だと思えば悪くないでしょ」と言っていましたが、実際に預けてみたら確かにその通りでした。300万円が309万円、318万2700円、327万8181円……と月末ごとにみるみる残高が増えていくのを見るのは楽しみでもありました。
昨年の8月と9月にはオルカンが暴落したとかで夫が隣で愚痴っていたこともあり、「こっちの方がNISAなんかよりずっといいじゃない」と思ったくらいです。
しかし、良かったのは初めの数カ月だけ。半年も経たないうちに、いきなりウェブサイトが閉鎖されて見られなくなってしまったのです。