<前編のあらすじ>

北海道在住の会社員・横田大介さん(仮名・47歳)は、亡くなった母親の三回忌で東京の実家に帰省した際、今年喜寿を迎える父親から驚くべき相続の提案を受けます。時価1億円以上の実家を1歳下の妹に譲り、預貯金や生命保険から相続税を差し引いた額をきょうだいで2等分するというものでした。

横田さんは母親の介護で妹に世話になった負い目から提案を断れずにいましたが、同行していた妻が異議を唱えます。

●前編:【「それはちょっと、おかしくないですか?」77歳父が提案した不平等な相続…47歳男性の窮地を救った「まさかの人物」】

父が始めた財産や相続の話

今年の夏は少し早めの7月中旬に都内の実家に帰省しました。東京のお盆がこの時期だということもあり、亡くなった母の三回忌の法要を執り行うことになっていたからです。

法要には父や母の親戚など、暑い中を10人以上が集まってくれました。父が昔よく通っていた小料理店で会食をし、その後、実家に立ち寄った時のことでした。父がいきなり自分の財産や相続の話を始めたのです。聞けば、親しい元同僚から税理士さんを紹介され、遺言を書いておこうという気になったようです。