横田大介さん(仮名)は北海道在住の会社員です。今年の夏、亡くなったお母様の三回忌の法要に合わせて都内の実家に帰省した際、お父様からとんでもない相続の提案を受けたと言います。お父様の相続人になるのは、横田さんと、お父様と同居する1歳下の妹さん。なんと、その妹さんに時価1億円以上の実家の不動産を引き継がせ、預貯金や生命保険から相続税などを払った後のお金をきょうだいで2等分するというものだったとか。
「よく考えれば、僕の取り分は7分の1程度という“ワンサイド相続”なんですよ」と横田さんが振り返ります。とはいえ、横田さんはお母様が脳梗塞に倒れた時に妹さんに世話になったという負い目があり、「ノー」と言えなかったのだとか。そんな時に思いがけぬ援軍が現れました。横田さんに同行していた奥さんでした。「はっきりモノを言う妻に救われた」という横田さんに、冷や汗ものだったというその話し合いの様子を聞きました。
〈横田大介さんプロフィール〉
北海道在住
47歳
男性
会社員
妻と高校生の長男、中学生の長女の4人暮らし
金融資産1200万円(世帯)
父が切り出した財産の話
私は北海道の大学を出て現地で就職し、地元の女性と結婚しました。子供2人は生まれも育ちも北海道です。
東京の実家には、今年喜寿を迎える父と、私の1歳下で未婚の妹が住んでいます。母は脳梗塞を患って3年ほど寝たきりになった後、一昨年に亡くなりました。
東京のお盆は7月で、今年は母の三回忌でもあったので、法要に出席するため、先月、妻と2人で帰省しました。子供たちは部活があるので留守番です。
菩提寺での法要を終え、足を運んでくれた親戚と会食をした後、実家に戻って父が「ちょっといいか」と切り出したのが、家の財産に関する話でした。