夫婦別財布でも家計の「経営計画」は共有する
最後に、夫婦別財布でも家計や資産形成がうまくいくポイントをお伝えします。
それはズバリ、家計の「経営計画」を一緒に作成し、実行することです。今後もお互いの収入支出に干渉しないスタイルを続けてもかまいません。しかし、家計を経営するために「計画の共有」は必要です。将来のための必要貯蓄額を共通で認識し、資産形成を実行するのです。
その際、お互いの収入と支出および貯蓄状況を情報共有することになるでしょう。しかし、干渉することと情報共有は別です。家計の経営計画を実行していれば不干渉は問題ではないのです。
紗枝さんは「お金の話は、なんとなくお互い避けてきた気がします。でも将来のお金のことを共有するのは、家族のために必要ですよね。iDeCoはすぐに始めます」と言っていました。
相談後、亮平さんは「将来のこと、実は何も考えていませんでした。老後もどうにかなると思っていましたが、マズいですね」と言った後、紗枝さんに「前みたいに働くか〜。体が勝負の仕事だから、働けるうちに働いておいた方がいいね」と言っていました。
将来の家計を考えるにあたって、具体的な資金計画はもちろん大切ですが、まずは「今のままではマズい」と認識することが一番大切です。紗枝さんはこの言葉を聞けたことが、今回の相談の一番の成果だったようです。