年金事務所で告げられた意外な事実
窓口の職員より、「順子さんは、63歳から特老厚、65歳から老齢基礎年金と老齢厚生年金を受けられ、特老厚と老齢厚生年金については離婚時に年金分割を受けた分も含めて受給できることになります」と説明を受けます。これを聞いて順子さんは「分割を受けてなかったら年金はもっと少なかったし、ちゃんと分割してよかったな」と思います。
一方、英隆さんは65歳から老齢基礎年金と老齢厚生年金が受給できることが確認できたうえで、加給年金について気になり、「自分には加給年金が2年間加算されるんですよね? これはありがたい制度だ」と職員に伝えます。
しかし、これに対して職員からは「英隆さんには加給年金は出なくなりますね」という説明がされます。職員によると「順子さんは厚生年金加入期間が20年相当で特老厚が受け取れますから、英隆さんには加算されないのです」との説明です。
英隆さんは「20年も入ってたのか?」と順子さんに聞きますが、「入ってないよ。結婚している間がパート勤務中心だったし、前の夫と結婚する前の6年と離婚後あなたと結婚する前の3年、合計9年くらいのはず。10年もない……」とのこと。しかし、英隆さんの加給年金は加算されないことになります。850万円未満という順子さんの収入要件も満たせそうなのになぜでしょうか。
●離婚時の年金分割が、再婚後の年金にどのような影響を及ぼすのか――年金事務所で明かされた“思わぬ落とし穴”とは。後編【厚生年金加入9年のはずが34年に⁉ 年金分割による「みなし被保険者期間」が再婚夫婦の年金額に与えた思わぬ影響】で詳説します。
※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。
