日本縦断を目指しながら預金残高7ケタ達成
私は日頃は怠惰な主婦ですが、好奇心旺盛で話し好き、もてなし好きな性格はリゾートバイトに向いていたように思います。私くらいの年代だと、住み込みの仲居さんは家出や駆け落ちなど訳ありの人ばかりという印象がありました。でも今はリゾートバイトの仕組みの整備が進んできたせいか、シニアに人気と言ってもやはり若い人の方が多いですし、中には外国人やカップルで来ている人もいて、多様性のある仲間の中で楽しく働けています。休みの日は近くの観光名所を回ったりしますが、基本的にあまりお金を使わないので、預金通帳の残高も初めて7ケタに乗りました。
北海道を皮切りに東北、関東を経て中部地方まで来たので、このまま日本列島を下っていって来年か再来年には九州を目指したいと思っています。
一方、義母を引き取った夫は大慌てで介護保険などの手続きをし、義母を施設に入居させたようですが、希望していた特別養護老人ホーム(特養)は順番待ちで、代わりに選んだ新設の老人ホームは入居金500万円に加え、介護費を除く月額利用料が25万円近くかかるのだそうです。
義母の年金は月額5万円ほど、義兄からの援助も全くなく虎の子の老後資金が減る一方で、「介護破産だ!」と嘆いています。最近は義母の認知症がさらに進んで施設からも頻繁に連絡が入り、疲弊しきっているようです。
幸い、都内に住む長女が時々様子を見に立ち寄り、食事などの差し入れもしてくれています。しかし、その長女も、「お父さんのお人好しが過ぎるんだから、お母さんは絶対に家に戻らない方がいいよ」と言います。長女も幼い頃に帰省した際、義母から「女の子なんて、ちっとも役に立たない」と存在自体を否定され、お年玉の金額も従兄弟の甥たちと露骨に差を付けられたのがトラウマになっていたようです。
我が家は片働きですし、退職金も半分近くを住宅ローンの繰り上げ返済に充ててしまったので、正直、老後資金はそれほど潤沢ではありません。「介護はゴールの見えないマラソン」と言われるそうですが、実際、義母の介護がいつまで続くか分からず、夫の介護破産発言も冗談では済まなくなる可能性もあります。
しかし、私自身はこの1年ほどのリゾートバイトで働いて稼ぐ自信が付きました。万一、我が家が介護破産状態になったとしても、娘や婿の世話にならないよう、体が動くうちは働けばいいと考えられるようになりました。当面は“天職”のリゾートバイトを楽しみながら、少しずつ預金残高を増やしておきたいと考えています。
※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。
