相続対策は「その場しのぎ」では通用しない

実家と母の実家については、相続税を申告、納税してから本格的に売却先を探していくつもりでいます。とはいえ、実家はまだしも、母の実家の方はこれまで空き家バンクに登録していても全く反応がなかったわけですから、見通しは相当厳しいと覚悟しています。

父の相続の時に配偶者の税額の減額を活用したのは今でもやむを得ない措置だったと考えていますが、母に納税資金に充てる生命保険に加入してもらうとか、リバースモーゲージ(自宅を担保に金融機関から老後の生活資金の融資を受けられる制度で、存命のうちは利息のみを返済し、死亡時に担保となった自宅を処分して借入金を返済する)を利用するといった対策も可能だったと思います。

「今となっては」話が多いのは、私たち親子が本当に何も考えておらず、その場しのぎで相続に向き合ってきた証左とも言えます。でも、定年が視野に入る年齢になって親からの相続のために老後資金を切り崩すのがしんどいのは事実です。

今どき相続税対策はいろいろあるのでしょうが、いざ相続が発生してしまうと選択肢は限られます。これから親の相続を迎える方には、私自身の失敗の経験も踏まえ、親と話し合って何らかの対策をとっておくことをお勧めしたいと思います。

※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。