<前編のあらすじ>
40歳の根本美香さん(仮名)は、地元で名の知れた地主一族の二男と結婚し、「分家」としてさまざまな気苦労を抱えています。この春、本家である義兄夫婦の長男が地元の有名高校に合格。美香さん夫婦は小学校や中学校入学時よりさらに高額な入学祝い(10万円)を用意しなければならない状況に頭を悩ませます。
一方、三男の妻となったひと回り年下の義妹は、Z世代らしく送金アプリで甥に直接5000円を送金。これに義姉が激怒。プライドの高い義姉と肝の据わったZ世代の義妹との間で勃発したバトルは、美香さん夫婦にも波及します。
●前編【「非常識すぎ」と義姉激怒! Z世代義妹の5000円送金がきっかけに…地主一族の本家・分家で繰り広げられた“入学祝い戦争”】
名家の格式と自由人の義弟
私の夫は首都圏近郊の名家の出身で、男ばかり3人きょうだいの二男。お屋敷のような実家には、義両親と義兄一家が暮らしています。
戦前生まれの義両親はお高くとまったところの全くない、穏やかな人たちです。しかし、地元で不動産業を営む義兄と、やはり名家から嫁いできたという義姉はやたらと格式を重んじ、分家に当たる私たちを下に見て勝手ばかり言ってくるので、閉口することもしばしばでした。
夫の弟はそうした家族の中では異質の自由人で、有名大学を卒業後は広告代理店に入社し、気ままな独身生活を楽しんでいるように見えました。このまま結婚しないのかもと思っていましたが、なんと、2年前に突然、ひと回り年下の部下と入籍したのです。
これには驚きましたが、私にとってはラッキーでした。結婚・出産後もフルタイムで働いている私のことが面白くないらしく、いじめや様々な干渉をしてきた義姉の標的がZ世代の義妹へと移ったからです。しかも、義妹は義妹で義姉の嫌がらせを歯牙にもかけず、さらりと受け流しているようで、それに義姉が腹を立てる様子は痛快でもありました。