<前編のあらすじ>

72歳の真理子さん(仮名)は7年前の2018年に、夫を亡くしました。その後、老齢基礎年金と老齢厚生年金であわせて年間75万円程度と、遺族厚生年金を年間130万円受け取っています。

少しでも余裕のある生活をしたいと、短時間の仕事をして100万円を超える給与収入を得ていましたが、真理子さんが70歳になった年に退職することになり、以降は年金のみの収入となりました。

そんな中、2024年9月に真理子さん宛てに突然お知らせが届きます。それは年金生活者支援給付金の案内でした。

●前編:【「せめてもうちょっとお金があれば」年金だけでは心もとない…パートの給与収入が途絶えた70代女性に見えた希望】

いまさら年金生活者支援給付金の対象になった理由

真理子さんに支給される給付金は老齢年金生活者支援給付金です。真理子さんがなぜ対象になったかというと、給与収入がなくなったからです。しかし、2022年に退職し、給与収入が完全になくなったのは2023年のこと。2024年になってから給付金の案内が来る理由は何でしょうか。

まず、真理子さんが請求できるこの老齢年金生活者支援給付金の支給要件から見てみます。老齢年金生活者支援給付金は、老齢基礎年金の受給者を対象とし、①前年の年金収入とその他の所得の合計で約78万円以下、②市町村民税が非課税世帯、いずれも満たしていれば支給されます。なお、①の額が約78万円の基準額を超えていても約88万円以下である場合、老齢年金生活者支援給付金は支給されませんが、補足的老齢年金生活者支援給付金の対象になります。