養育費の取り決めは公正証書で作成することに
紆余曲折あり、半年ほどかかったが養育費についての額は合意に至った。最終的には互いの両親を巻き込み「親としての責任も果たせないの?」という晴美さんの強い言葉に対して「そういうわけではない」としぶしぶ正平さんが合意した形だ。金額も晴美さんの請求通り毎月3万円。正平さんも「毎月必ず支払う」としていたが、絶対はない。
合意に至った直後である今はいいが、この後心変わりしてしまったり、失業や勤務先の不振、不景気などを理由として金銭的な問題が生じたりして安易に減額を求められる可能性もないとは言い切れない。
そこで晴美さんは公正証書で作成することを提案した。
「ねえ、公正証書にしない?」
晴美さんは公正証書について説明。強力な契約書であり、改ざんや変造などが容易でないことを説明した。
「じゃあ、お前が金額を上げたいと考えても簡単には上げられないんだな?」
正平さんが確認する。それに対し晴美さんは肯定する。請求金額が一定という部分に正平さんも納得がいったようで、公正証書の作成に合意し作成に至った。
●離婚して半年後。予想通り滞り始めた養育費の支払いに、晴美さんがとった行動は何だったのでしょうか。後編【離婚して半年で養育費が不払いに…母親が子の将来を守るために実行した「起死回生の一手」】で詳説します。
※プライバシー保護のため、内容を一部脚色しています。
※登場人物はすべて仮名です。