68歳になる緑さんは、夫の秀平さん(65歳)と一緒に洋食屋を経営し、息子の健輔さん(36歳)も後継者になるため、日々厨房に入っています。緑さんは既に自分の老齢年金を受け取っていますが、年金について考えるようになったのは60歳の時でした。

年金の繰上げ受給制度を知って繰上げ開始

緑さんの同級生の友人は会社勤めが長く、60歳から年金を受け取りができることになっていました。これに対して、緑さんは過去に会社に勤めた期間はわずか5カ月程度しかなく、年金は65歳からだと言われました。

「私は会社員じゃなかったから仕方ないのね。けど、60歳から受け取れていいなぁ」と友人をうらやましく思いました。

そんな中、緑さんは、繰上げ受給をすれば減額はされてもまとまった年金を早くから受け取れると知ります。「私も65歳を待たなくても受け取る方法があるのね」と興味を持ちます。

一方、自営業で国民年金にしか入ったことがなく、同じく65歳になってから年金を受けられる夫・秀平さんは繰上げについては慎重派。「年金を早く受け取ると、年金が減額されるぞ~」と緑さんに懸念を示します。

しかし、最終的には緑さんの意思に任せ、結局、緑さんは61歳になった時に繰上げ受給することになり、減額された年金を受給するようになりました。

それからはお店も繁盛し慌ただしく過ごす日々となりました。