相続において親族が遺留分や寄与分を請求してくる。だがそれについてどうすればいいか分からない。この仕事をしているとそんな話を時折耳にすることがある。実際そのような出来事に直面したらどうすればいいのだろうか。今回は、叔父からの遺留分と寄与分の主張について悩む吉岡さんの事例を参考に考えてみよう。
吉岡さんと叔父・遼さんの関係性
吉岡さんの家族は父親の崇さん1人だ。母親は事故によって幼少期に亡くなっており、長らく崇さんと2人で暮らしてきた。だが、そんな崇さんはかねてから病気がちであった。特に亡くなる数年前は入退院を繰り返しており、大小さまざまな病気を抱えていた。
そんな状況であったため家は貧しく、崇さんの兄、吉岡さんから見ると叔父にあたる遼さんから支援を受けることも多かった。生活費や病院の治療費といった金銭的な支援はもちろん、幼少期は崇さんに代わって面倒を見てもらうことも多かったという。
まさに吉岡さんからすれば第2の父親とも言えるような存在だ。だが、そんな遼さんとの関係は父である崇さんの死をきっかけに問題が発生する。
「俺にも相続財産を得る権利があるはずだ。財産を少しは分けてもらいたい」
遼さんからの言葉に吉岡さんは驚いた。