お金に関する価値観は合わなかった2人

価値観が合うと思っていたおふたりでしたが、お金の管理については全く意見が合いません。独身時代の伸介さんは、日曜日に1週間分の収支確認がルーティン。外食も含め1カ月の食費が5万円以内で収まるよう、調整しながらお金を使っていました。一方、恭子さんはざっくり派。お給料から天引きで貯蓄をしているため、残ったお金は自由に使って問題ないという認識でした。

これまで一度もひとり暮らしをしたことがない恭子さんにとって、家計管理は初めてのこと。それなのに、「今週の食費はいくらだった? こんなにかかるって電気代高すぎるんじゃないの?」と聞かれる日曜日が苦痛でしかありません。

ビーフシチューが食べたいのに、値段を見てミックスフライ定食を頼んでしまう自分に嫌気が差し、「もう一緒に出掛けたくない!」と家に閉じこもり気味に。独身時代に2人でよく行った洋食屋さんも、すっかり足が遠のいてしまいました。

夫婦は対等! 本来得意な方が管理すべきだが……

「だったら、伸介さんがお金の管理をすればいいんじゃないですか?」

誰が聞いても同じ感想を持つだろうことを問いかけてみるも、家事やお金の管理は妻に任せたいと聞く耳を持たない伸介さん。大学の先輩だからかもしれないけれど、ときどき見え隠れする上から目線に、恭子さんと同じ働く妻としてちょっとモヤモヤしてしまいました。

夫婦は対等なはずだし、お金に関することも得意な方がすればいい。ましてや、出身地や大学が同じでも、育ってきた環境や性格などにより価値観が違って当然です。

そこでおふたりに、「とあるカードを使ってお金の管理や投資に関する考え方を理解する『お金占い』をしてみませんか?」と提案しました。

●価値観の違う2人の着地点は見つかったのか? 後編【お金に「きっちり夫」と「ざっくり妻」―正反対の夫婦が“価値観の違い”を克服できたワケ】で詳説します。