<前編のあらすじ>

相談者の三森まち子さんは50代の専業主婦。夫の孝太郎さんは65歳定年の会社に勤めており、職場からの提案で70歳まで再雇用で働くことが決まりました。再雇用で働くことで最長70歳まで厚生年金へ加入でき、それによって将来の年金額も増やせるため、夫婦で一安心。余裕をもって老後を迎えられる予定でした。

ところが、再雇用が決まって安心したのもつかの間。孝太郎さんに思わぬアクシデントが発生します。67歳になった頃、体調の都合で当初の70歳の予定より早く会社を退職することになったのです。

この孝太郎さんの退職によって今後5年間にわたって国民年金保険料を支払う必要が出てきたまち子さん。老後のことが気になって将来の年金額をチェックしてみると、イメージしていたより金額も年金加入期間もわずかに足りないことに気付き、将来への不安が大きくなりました。

●前編:【「何かの間違いかも」余裕ある老後を迎えるはずが…50代主婦が衝撃を受けた「将来の年金額」】

まち子さんの思い違いで「2年間の未納」が発生していた

筆者がねんきん定期便を拝見したところ、思いもよらない事実が明らかになりました。将来の受給見込額や年金加入期間が想定より足りていない原因は、過去2年間年金が未納の状態だったからでした。

まち子さんは孝太郎さんが再雇用となった後も、自分が国民年金第3号被保険者として扱われていると思い込んでいました。ところが、厚生年金加入中の夫が65歳になると夫の扶養から外れる仕組みのため、国民年金保険料をまち子さん自身で支払う義務が生じていたのです。

「再雇用が終わってからじゃなかったんだ」。実は、孝太郎さんの再雇用時に勤務先から注意事項として説明書類を受け取っていたのに、他の資料に紛れ込んでいたことも後から判明しがくぜんとしたふたり。こんな重大なことに気づかなかったことに、ため息が止まりません。そこで、不安を解消するためにできることを、3つお伝えしました。