共働き夫婦の場合、おおまかな家計ルールは決めていても、お互い収入も支出も干渉せず別財布という家庭は少なくありません。
今回のご相談者、横山紗枝さん(仮名)ご夫婦も別財布・不干渉でした。しかし、そのために夫の収入が激減していることに気づかず……しかも、ふたを開けてみたら衝撃的なダウン額に直面し、FP相談を決意しました。
なぜそこまで夫の収入が減ったのか、そして家計を立て直すために送ったアドバイス、夫婦別財布でも資産形成できる方法をお伝えします。
相談者 横山紗枝さん(36歳・仮名)プロフィール
・職業 会社員
・年収 300万円
・家族構成 夫:亮平さん(仮名・40歳)自営で引越し業を営む。子ども:2歳
・貯蓄:現預金450万円(一部、子どもの教育費のための積立も含む)
※この他に学資保険に加入している。
「だってこの売上でも生活していけるでしょ?」夫の衝撃的な一言
紗枝さんが、夫の売上減少を確信したのは、市から送付される保育料負担額の通知書を見た時です。6万円の保育料が2万円に減るという内容だったのです。保育料が減るのはありがたいことですが、保育料は世帯の所得に応じて決まるため、保育料が減ることは所得が減ったことを意味します。紗枝さんは会社員で収入は安定していますから、保育料が減った原因は夫にしかありません。
夫の亮平さんは自営で引越し業を営んでいるため、収入に不安定さがあります。それでも保育料が一気に4万円も下がるのはおかしいと思い、亮平さんに仕事の状況を聞いてみました。
「ひょっとして……最近、仕事あまり来なくなっちゃった?」
すると、驚きの事実が発覚したのです。現在の亮平さんの売上(年商)は350万円ほど、経費等を引いた所得にして150万円ほどとのこと。 コロナ前は売上が約1000万円だったため、3分の1にまで減少しています。紗枝さんの認識も「1000万円くらい」のまま止まっていましたから、衝撃を受けたことは想像にかたくありません。
「なぜ!?」紗枝さんが理由を問いただすと、亮平さんはコロナの影響を受け仕事の依頼が減った前提を話しつつも、「だって、この売上でも生活していけるでしょ?」とあっけらかん。悪気は全くない口ぶりです。
確かに、現状、大きな支出は住宅ローンと保育料程度。お子さんが保育園児の現在は生活できています。しかし、今後、教育費がかかりますし、何より個人事業主は老後の年金が会社員より少ないですから、老後の備えはしっかり対策を取らないといけません。