二度と戻らない友情と残された教訓
あれから佐藤さんから清水さんへの接触は一切ない。それはお金の貸し借りにおける揉め事が解消したことを示す反面、2人の友情が完全に消滅したことも意味していた。
現在、佐藤さんと清水さんの関係は、お互いの共通の友人を巻き込んでかなり険悪なものになっている。そのため共通の友人も徐々に減っていると清水さんから聞いた。
今回の事件を記事として世に公表するにあたって、清水さんは私にこう語った。
「お金の貸し借りにおいて契約書は重要かもしれません。ですが返済を証する書面も同じくらい必要なのかもしれませんね」
私はその通りだと思う。おそらくだが、領収書や残高証明が都度発行されていれば佐藤さんと清水さんの関係がここまで悪化することはなく、今でも友人でいられただろう。
お金の貸し借りは安易にするべきではない。そのうえで、どうしてもというのであれば契約書を作るだけではなく、返済を証明する書類も返済時に作成しておくべきだ。
私は今後も佐藤さんと清水さんのような悲しい思いをする人が1人でも減るように、お金の貸し借りにおける返済を証する書面の重要性について語り続けていきたい。
※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。
