「ねんきん定期便」に突き付けられた老後資金の現実
数年前に「ねんきん定期便」を確認したときは、正直驚きました。想像していたよりもずっと金額が少なく、「これだけで本当に生活できるの?」というのが率直な感想でした。
それ以来、老後資金について真剣に考えています。最近はiDeCoやNISAについても調べて、少しでも資産を増やせるよう勉強を始めました。
それでも長生きすればするほどお金が必要になるのは避けられません。幸い仕事は続けられていて、貯金も少しずつできています。ですが、一人になったときの生活費や医療費を考えると、貯蓄も今のペースで十分なのか疑問が残ります。
避けては通れない母の介護と相続問題
母の介護も現実的な問題として考えておく必要があります。
まだ元気とはいえ、母も少しずつ体力が落ちて物忘れが増えてきています。いざというときに慌てないように、介護施設の費用や利用できる制度を調べたり、在宅介護の選択肢を検討したりと準備を始めています。
そして母亡き後は相続の問題も避けて通れません。
母の名義の家や預貯金についてどう整理すればいいのか、そもそも遺言書を準備してもらう必要があるのか……私自身は法律の知識が乏しいため、専門家の力を借りながら進めなければなりません。
こうした問題について母と話し合うのは少々気が重いですが、避けていては後々もっと大変なことになることは分かっています。思い切って一度しっかり話し合う必要がありそうです。
●目の前の課題に一つひとつ向き合い始めた中村さん。その過程で“老後への新たな希望”も見えてきました。後編【「母がいなくなったら私は完全に一人」47歳独身女性が恐れる老後の孤独…安心を得るために踏み出した一歩とは】で詳説します。