関東地方在住の駒井美香さん(仮名、60代)は46歳の時に念願の第一子を授かりました。当時、夫婦で人生の幸せを噛み締めていた駒井さん。しかし、子どもの成長とともに重くのしかかってきたのが教育費の問題でした。

計算すると、駒井さんの夫が定年を迎える頃にお子さんは大学生。私立大学で地方での一人暮らしとなれば、その費用は莫大です。退職金だけでは足りる見込みもなく、途方もない不安が心をかき乱していました。

しかし、お姉さんからかけられた“あるひと言”が、駒井さんの人生観を180度変えます。その助言の内容とは? 駒井さんの体験談を通して、老後を前向きに生きるためのヒントを探ります。

幸せの絶頂から一転、教育費への不安が襲いかかる

私たち夫婦は晩婚で、46歳で第一子を授かりました。その幸せは何物にも代えがたいものでした。ですが、子どもが成長するにつれて教育費の悩みが頭をもたげ始めました。

私たちの計算では、夫が定年を迎える頃に子どもが大学生になり、莫大なお金がかかる予定です。例えば私立大学に進学して地方でひとり暮らしをすることになれば、退職金だけではとても足りません。理系か文系かによっても、必要となる金額は全く違ってくるでしょう。

夫婦のこれからの暮らしはどうなるのか。住宅ローンは、車は……。ただでさえ物価高で毎日の生活は苦しいのに、不安は募るばかりでした。

「老後2000万円を貯めるのに2000年かかるのでは?」

そんな冗談を本気で考えてしまうほど我が家には切実な問題だったのです。テレビで「老後2000万円問題」の話題を見るたびに心をかき乱されていました。