お盆休みの夜に起きた最悪のアクシデント
そんな“秘密のバイト生活”にちょっとしたさざ波が立ったのが、このお盆休みのことでした。お盆休みは本業が休みなので、スナックの近くに住む大学時代の友人の家に泊まることにし、お酒もいただきながら接客していました。それもあって、いつも以上にテンションも高くなり、皆でMrs. GREEN APPLEやHANAの歌を歌ったりして盛り上がりました。
私より少し年上の常連さんたちが気持ち良く引き上げていった後、22時半頃のことだったと記憶しています。お店のドアが開いて、40代の常連さんが「ママ、2人なんだけどちょっとだけいいかな?」と顔をのぞかせました。食事を終えた後に場所を変えて一杯と考えたようで、閉店時間が迫っていたことからママに許可を得たのでしょう。
「他のお客さんもいないし、12時くらいまでなら大丈夫」とママが応じ、常連さんと一緒に入ってきた人の顔を見て、思わず息が止まりそうになりました。役所の他部署の係長だったからです。酔いがすっと引いていくのが分かりました。
私の変化に気付いたママが「帰りなさい」と耳打ちし、裏口から慌てて店を後にしました。ママの機転で結果的に係長には気付かれずに済んだのですが、友人のアパートまで10分ほどの道のりを歩く間もずっと心臓がばくばくしていました。
●この危機的状況からさらに星野さんを追い詰める出来事が起こります。後編【激務部署への異動でバイトができない…奨学金返済と実家支援に苦しむ公務員女性が下した決断は】で詳説します。
※プライバシー保護のため、事例内容に一部変更を加えています。