増員を目指すもままならず

山田さんによると、施設のスタッフ確保も深刻な問題だといいます。

「当施設では現在、介護職員が25名いますが、実は5名増員したいところです。ただ、若い世代の応募が少なく、採用しても定着率が課題です。統計で見た生産年齢人口の減少は、私たちの現場でも如実に表れていますね」

山田さんの施設では、このような状況に対応するため、ICTの活用も積極的に進めています。例えば、入居者のわずかな動きも検知できる見守りセンサーや、入居者の孤独感緩和に役立つコミュニケーションロボットなどを導入し、スタッフの負担軽減を図っているとのこと。

「ただ、これはあくまで補助的な手段にすぎません。やはり介護の基本は人の手による温かいケアだと考えています」

データが示す未来への警鐘

統計が示す通り、日本の高齢化は確実に進行しています。総務省統計局の発表によれば、2024年の65歳以上人口は3624万3000人で、前年比1万7000人増加。一方で、生産年齢人口(15~64歳)は7372万8000人と、前年から22万4000人も減少しています。

山田さんは「介護の現場では、すでに人材不足が深刻です。今後、高齢者人口がさらに増える中で、どう質の高いケアを維持していくのか。これは私たち事業者だけでなく、社会全体で考えていかなければならない課題です。統計の数字を見るたびに、このままでは本当に質の高い介護を提供できなくなるのではないかと、強い危機感を覚えます」と語ります。

山田さんの事例が示すように、人口減少と高齢化は、統計上の数字だけの問題ではありません。私たちの暮らしに直接影響を与える現実として、早急な対策が求められています。人口減少と高齢化は避けて通れない現実ですが、社会全体で課題に向き合い、持続可能な介護体制を構築していく必要があると言えるでしょう。

●過去記事【「食費は節約、趣味には投資!」30代共働き夫婦がメリハリ出費でかなえた"賢い家計管理術"】では、30代夫婦の事例を通して、総務省「家計調査」の最新データを解説しています。

※データ出所:総務省統計局「人口推計(2024年(令和6年)10月1日現在)結果」
※本記事は、統計データをもとにAIが生成したエピソードを編集者が精査し、加筆修正を行ったものです。