新たな消費トレンドを生み出す訪日観光

観光庁の「【インバウンド消費動向調査】2025年1-3月期の調査結果(1次速報)の概要」によると、2025年1-3月期の訪日外国人旅行消費額は2兆2720億円に達し、そのうち中国からの観光客による消費額は5443億円(全体の24.0%)を占めています。

特筆すべきは、買物代における消費額で中国が最高を記録したことです。

●前編:【「体験は価格以上のものでした」 豪州人の1人あたり支出は36万7000円…訪日外国人の消費額が“過去最高”に迫るワケ】

「トレンドと伝統の融合」を求める上海在住・28歳男性の観光体験

上海在住の李明さん(28歳)は、友人3人と共に日本を訪れました。大手IT企業でマーケティングマネージャーとして働く李さんは、独身で可処分所得が高く、最新のトレンドに敏感な消費者です。

「私たちの世代にとって、日本は最先端のファッションとテクノロジーの発信地です。でも今回は、伝統的な文化体験もしっかり入れました」と李さん。

5日間の旅程で、東京と箱根を訪れた李さんたちは、銀座での最新美容家電の購入や、原宿でのファッションアイテムのショッピング、さらに箱根では老舗旅館での滞在を楽しみました。

「美容家電は中国でも人気ですが、日本で最新モデルを購入できるのは大きな魅力です。友人と合わせて20万円以上使いましたね」と李さん。特に日本製の美顔器やヘアケア製品は、「品質の高さが良いですね」と太鼓判を押します。

箱根では、高級旅館に宿泊。「温泉文化は中国にもありますが、日本の旅館のおもてなしは特別です。インスタグラムに投稿したら、フォロワーから羨ましがられました」と笑顔で語ります。

買い物では、化粧品や服飾品を中心に1人あたり15万円以上を使用。「日本限定商品は、本当に良い買い物になりました。次回は京都で着物体験もしてみたいです」と、早くも次回の訪日を計画しているそうです。