インバウンド消費が力強い回復基調、2兆円超えを達成

観光庁が2025年4月16日に公表した「【インバウンド消費動向調査】2025年1-3月期の調査結果(1次速報)の概要」によると、2025年1-3期の訪日外国人旅行消費額は、前年同期比28.4%増の2兆2720億円に達し、コロナ禍前の水準に迫る勢いを見せています。

特筆すべきは、1人あたりの旅行支出において、オーストラリアからの観光客が36万7000円と最も高い消費額を記録したことです。宿泊費、飲食費、娯楽等サービス費の3項目で最高額を更新し、質の高い観光体験を求める新たな消費トレンドが浮き彫りになっています。

国籍・地域別の訪日外国人旅行消費額と構成比では、中国が5443億円(全体の24.0%)と最大の消費国となり、続いて台湾(3168億円)、韓国(2824億円)、米国(2188億円)、香港(1534億円)と続いています。

「日本の魅力に惹かれて」豪州在住の夫婦が体験した7日間の贅沢旅

シドニー在住のジェームズ・ウィルソンさん(35歳)と妻のエミリーさん(32歳)は、今年2月に念願の日本旅行を実現させました。子どもはおらず、夫婦二人で贅沢な旅行を楽しんだといいます。

「日本の文化や食事には以前から興味があったんです。特に和食のクオリティの高さには感動しましたね」とジェームズさん。

7日間の旅程で、東京・京都・大阪を巡った二人は、高級旅館での宿泊や懐石料理、茶道体験など、本格的な日本文化を堪能しました。

「京都の旅館で過ごした夜は忘れられません。畳の香り、温泉、そして部屋から見える日本庭園。全てが完璧でした」とエミリーさん。一泊7万円の高級旅館を選んだことについて、「この体験は価格以上のものでした」と振り返ります。

食事にもこだわり、ミシュラン星付きレストランでの会食や、高級寿司店での江戸前寿司など、質の高い和食を楽しみました。「一回の食事に3万円以上かかることもありましたが、その価値は十分にありました」とジェームズさん。

買い物では、伝統工芸品や最新家電まで幅広く購入。「特に京都で購入した手作りの陶器は、私たちの家の宝物になりそうです」とエミリーさんは目を輝かせます。