厚生労働省が2025年3月17日に公表した「令和6年賃金構造基本統計調査 結果の概況」で、一般労働者(男女計)の賃金月額が33万400円を記録しました。特筆すべきは、賃金上昇率が3.8%と平成3年以来33年ぶりの高水準を記録し、男女間の賃金格差も比較可能な昭和51年以降、過去最小となったことです。

平均賃金が上昇し、男女間の賃金格差も縮小したが…

今回の調査結果について厚生労働省は、「男女計330.4千円、男性363.1千円、女性275.3千円」「男女計、男性及び女性とも平成3年以来33年ぶりの高い伸び率」と発表。背景として、近年の物価上昇への対応や人手不足を背景とした賃金上昇圧力に加え、政府による賃上げ要請の効果が表れていると考えられます。

また男女間の賃金格差について、「男女間賃金格差(男=100)は、75.8」「比較可能な昭和51年以降で最も格差が縮小した」と指摘。女性の賃金上昇率が4.8%と、男性の3.5%を上回ったことが、格差縮小の要因となっています。

一方で、企業規模別の分析では、「男女計では、大企業364.5千円、中企業323.1千円、小企業299.3千円となっている。男女別にみると、男性では、大企業403.4千円、中企業355.6千円、小企業324.5千円、女性では、大企業296.6千円、中企業271.3千円、小企業255.5千円」と言及。大企業(従業員1000人以上)の賃上げ率が5.3%であるのに対し、小企業(従業員10~99人)では1.8%にとどまっており、規模間格差の拡大が懸念されています。

「私の給料、平均より10万円も低いんです」

東京都内のIT企業で働く村山さくらさん(25歳・仮名)は、スマートフォンで銀行口座の預金残高を見ながら、ため息をつきました。

「月給23万円。都内の一人暮らしだと、家賃と生活費で精一杯です」

2年前に地方の国立大学を卒業後、従業員50人規模のIT企業に入社した村山さん。システムエンジニアとして働き始め、今年で3年目を迎えます。一人暮らしの家賃は9万円、両親は地方在住で、実家からの支援はありません。

村山さんが通勤電車で目にする大手IT企業のオフィス。そこで働く同年代の友人は、すでに年収500万円を超えているといいます。

「正直うらやましいです。同じ年齢なのに、大企業と中小企業で、こんなにも差があるなんて……」

今回の調査では、大企業の賃上げ率が5.3%だったのに対し、小企業では1.8%にとどまりました。この格差は、村山さんのような若手社員の将来設計にも影響を与えています。

「転職を考えることもありますが、大手企業の選考は厳しいですし、今の会社での経験をもっと積みたいという気持ちもあります」